カテゴリー: 11 一般的考察

2011年07月27日

生き残るための「小さい作戦」

という記事があった。小笠原の体長2mmのノミガイだ。
殻の口に膜を張って・・・という防御手段もとるのだが、要は極端に小さいから可能なのだ。
これで生息圏も広がっていく。

小さいことには、緊急時、大きな価値がある。 

恐竜を含め多くの種が絶滅したKT境界の大絶滅。哺乳類は生き残った。小さくて少ない食糧でも数を保って繁殖できたから。 

ミジンコだって、敵がいないと大型ミジンコが強いが、プランクトン食の魚がいると小型ミジンコが栄える。小さくて敵に見えないから。 


SFの「青い紐」を思い出した。
 
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なんと人類を約1/3に縮小して危機を乗り切ろうというものだ。 
名づけて「π-1プロジェクト」(πのマイナス一乗、つまり1/π) 

大きさがπ分の1だと、体積・質量で30分の1になる。大人で体重2kg。 
必要な食糧も、スペースも、大幅に減る。 

そうすればこの地球上に100億人の人類を収用できるはず。 


これは1978年の作品で、中学の頃、図書館に入れてもらって読んだのだけれど、とっても面白かったのを覚えている。 
そしてそれが今、洒落にならない時代が来ている。 

車だけでなく、ウォークマンだけでなく、ヒトそのものを・・・

2011年07月12日

靴屋の夢 ~月と地球と小天体

月は地球から、徐々に離れて行っている。その距離、年4cm。

笑っちゃうくらい小さいが、10億年を掛けるとどうだろうか。 

4cm x 10億 = 40 億cm = 4000万m = 4万km 

これは結構な数字である。 
月が地球の衛星となったのは45億年前だから、単純に掛ければ18万km。 
今の、月・地球間 38万kmの半分だ。 

月が生まれた頃、月は今よりずっとずっと地球に近かったのだ。 

実際には半分どころじゃなくて、2万kmくらいのところからスタートしたらしい。 
今の、20分の1の距離だ。 

と、いうことは巾が20倍で面積が400倍の月が、45億年前の地球の空には浮かんでいたのだよ。
 
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こりゃ、びっくり。 


小惑星や彗星が地球に衝突する危険を訴え続けていた、ユージン・シューメーカー。 
彼らがたまたま見つけたシューメーカー・レヴィ第9彗星が1994年、木星に激突して高さ2000kmのキノコ雲と、地球サイズの衝突痕を残したことで、彼の夢は叶った。 

地球近傍の小天体を発見・追跡するシステムが地球規模で整備されたのだ。 

その翌年、交通事故死した彼は、人類史上初めてその遺灰が月に送られた。 
月葬だ。 

月の上を歩くのが、もうひとつの彼の夢だったから。

2011年06月26日

なにを探しているのか

と、書いてみたが、べつに何かを探しているわけではない。

なにをつくろうとしているのか

と、問うてみても、ぴんと来ない。


なにを・・・
が違うと言うことだ。

べつに、なにでも良いのだ。


どう「ある」か、がダイジであって、その帰結はダイジではない。
どう考え、どう行動するかがダイジであって、それがどう結実するかは、まあ、時の運。


もちろん、小さな喜びは大歓迎である。
子どもたちの驚きの声、歓声、応援の言葉。
親たちの決意の言葉。



今日は若くして逝った従兄弟の一周忌。
明日夜は、坂井市の東十郷幼稚園・小学校PTA文化講演会、である。

2011年06月08日

カメラを写真撮影機と呼ばせるお国柄:フランス

ロイターの記事でこんなものが。
「twitter」や「Facebook」は特定のブランド名だから、「詳しくはFacebookをご覧ください」でなく「SNSを見てください」とかに言い替えろ、と。
(もちろん、twitterをニュースで取り上げるのはOK)

フランスでは1992年以降、メディアの広告枠外で商品名などを視覚的・聴覚的に放送することを禁止している、のだそうだ。


フランスは言葉にうるさい。多分世界一。

フランス人とは人種的集まりではなく、フランス語を話す者たちの集まりだから、と聞いたことがある。
そしてときどき外来語排斥運動が起こる。主に政府によって。

20年前、カメラ、も禁止された。外来語だから。
・カメラ camera→写真撮影機 appareil-photo(アパレイユ フォト)

ついでにカメラマン、も。 photographe という言い方もあるが正式には多分
・写真撮影機操作者 Opérateur d’Appareil-photo(オペラター ダパレイユ フォト)
である。

政府がやることなので、テレビ局は民法も含めてこれで規制される。
フランス留学中、ある日を境に言い方が変わったので驚いた。


今回の「特定ブランド名の回避」、NHKも見習うのか?

2011年06月03日

政局ゲーム・・・星0個

「民主 小沢氏ら15人処分先送り」というニュースが流れた。 

(参院がダメだから意味ないけど)衆院での絶対安定多数には問題ないから、15人くらい除籍すれば良い。 

とはいかんのだろうが、まったくもって中途半端。 

まあ、「時期を明言しない辞意表明」でひっくり返るくらいだから、小沢・鳩山同盟もその程度の覚悟だったと言うこと。 
そりゃそうだ、本気で造反して離党したら最も価値なくなるのはこのお二人。 


それにしても、改めて思う。鳩山由紀夫とは不可解な人だ。 

首相としてはただ沖縄と日米関係を混乱に陥れただけ。 
金がらみで退陣する際には盟友小沢シを道連れにし、 
菅シが総理になると反菅に回って小沢シと蜜月。 
そしてまた勝手に菅シと手打ちして・・・。 

なんのポリシーも深謀も見えない。 


なんだかバカらしくて、この「政局」ゲームについては書くのも虚しい。 われわれは大枚はたいてこんな茶番を見たいわけではない。

政治とは、トレードオフを明確にし、代替案を戦わせ、痛みのある決断をするための仕組みに他ならない。全員を満足させることは出来ないし、お金も降ってわいては来ないのだ。
すべてを先送りにし続けるだけなら、ネコにだって出来る。政治家など要らない。


民主党よ、はよ仕事せんかいな。 

自民党だって、今回の危機の大部分を作りだしたのは、自分たちの政権時代だったという反省を深くしつつ、行動してもらいたい。 
谷垣シも何を期待しとるんかいな。棚からぼた餅とか考えてないで、ちゃんと国を動かさんかいな! 


国民として確かに選挙で選んだわけだが、こんなに言うこともやることも支離滅裂では、今後どうやって選べば良いのか、途方に暮れる。


(初稿では一部不穏当な表現があったので、ちょっと修正。でも氏とか言う気にならないのでシに)

2011年05月23日

15家族以上が必要だった。現人類の東進物語

アフリカに発祥した人類は3~4度に渡って「出アフリカ」を果たした。

昔の言い方で言うところの原人として、旧人として、そして新人として。
新人=ホモサピエンスの元は、東アフリカにいたわずか数千人。
そのうちたった数百人が、紅海をアラビア半島に渡った。

陸ではなく、おそらくは海を渡ったと、推定されている。
それが6万年前のこと。

それが北上してヨーロッパに拡がり、東へ海沿いを伝ってアジアへ拡がった。

問題はその先だ。

それでは北アメリカにも、オーストラリアにも到達できない。
北アメリカとの間にはベーリング海が、オーストラリアにはアラフラ海があるからだ。

それを後押ししたのは、氷河期だった。
氷河期には陸氷が増えて海水面が下がる。5万年前の大氷河期にオーストラリアとニューギニア島も繋がった、1万年前にはベーリング海は陸橋となってシベリアと北アメリカが繋がった。

でも、そこを渡るのは、まったくもって簡単ではない。
2000キロのベーリング陸橋を超えてもそこには北アメリカを厚く覆う大氷床がその行く手を阻んだ。
ニューギニア島は繋がっても、そこまではまだ海が数百キロ存在していた。


でも、渡ったヒトたちがいた。
わずかな氷の回廊をとおり、そして船を作って。

その数は、いちどきに15家族以上。
9家族以下では遺伝的多様性が小さすぎ、すぐ消滅の憂き目に遭う。
安定できるのは15家族以上。

ということは、親戚関係でもなくそれだけの集団がまとまって行動していたということ。
異常に厳しい環境下を、東へと進むべく。

ゆえに、高度なコミュニケーション能力を持っていたのであろう、とも推測されている。

決して導くもののない、未知への旅を、いったいいくつの集団がチャレンジし、敗れ去ったのだろう。
そのときリーダーは、血縁以外のなにを糧に、東進を推進し続けたのだろうか。


われら現人類のほとんどは、紅海を越えて出アフリカを果たしたたった数百人の末裔であり、アメリカ大陸やオーストラリアの民(ネイティブアメリカン、アボリジニ)たちは、さらに少数の末裔であった。

未知へと挑む、その気概と力を、失ってはならない。

2011年04月14日

『正しく決める力』と柳家小三治

4月は『正しく決める力』の季節である。

新年度、新学年のまず最初につけるべき力であるからだ(ホントに)。

今日までに、

・月、富士通マーケティング 新入社員研修@神戸
・火、Goodfind 学生チャリティ研修@神田
・水、KIT虎ノ門BA専攻 戦略思考要論@虎ノ門
・木、MES若手経営者研修@新宿

と、4日連続で、やった。
たまたまにしては凄いものである。

そして、来週、

・月、京都嵯峨野児童館 保護者研修@京都
(職員の皆さんも、参加いただけるらしい)
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・水、田園調布雙葉 高3 社会情報論@九品仏

・土、「むさし」教員研修@府中

と続く。
今の活動ターゲットからすると、来週こそが本命である。

ご参加希望の方は、いずれでも(笑)


さて、ここまでの反省は何だろうか?
・新しく加えた部分は概ね好評
・学生で数人「自己能力勘違い系」が見られたが・・・。

いや、これは私にとっての鉄板ネタ。
かとうまさはるさん風に言えば、芸、古典落語のひとつである。
基本同じモノを、しかし、日々新鮮な気持ちで繰り返す。


現代落語会の最高峰、小三治師匠は言った。(NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』)

「笑わせるのではない,笑ってしまうのが芸」

そして
「仕事に慣れてはいけない、初めて話すと思え」

「慣れてしまって、緊張感というか集中力というか、そういうのが疎(おろそ)かになる」

「実は、それがずーっと私のテーマですね」


プロだからこそ、慣れてはいけない。惰性で仕事をしてはいけない。


でも実は、臆病だから、大丈夫。いつもドキドキ(笑)
自信はあるが、慣れはしない。

2011年04月09日

反自粛戦線を! その二~分業の力

ヒトがヒトたる所以は、その高度な「分業」能力にある。

分業こそが、われわれホモサピエンスと、ネアンデルタール人(約3万年前に絶滅)との決定的な差だとも言われている。

ネアンデルタール人に分業という概念はなく、最も重要でかつ危険な作業である狩猟に、女性も子どもも参加していたことがわかっている。
男性と同じく腕や頭の骨折痕が多いのだ。

しかし同時期を生きたホモサピエンスでは、女性や子どもは小動物の狩りか木の実・植物の採集という分業が成り立っていた。
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これにより、集団全体としての「生産性」が高まった。
何よりも貴重な子どもたちを生み育てる仕組みができた。集団は大型化し、さらに分業が進んでいった ものと推定されている。


現代社会ではそういった分業がはるかに進み、相互の福祉や保険、リスク分散にまで至っている。
そうすることで、一個人で何もかも対応しなくて済む。得意なことにじっくり取り組める。その技を磨き、生産性を上げられる。

ヒト一人一人はもちろん確固とした人格を持った独立体だが、経済活動を見たとき、それは全体として人体のようである。ヒト一人一人は細胞だ。
細胞は分化し、器官を成り立たせているが、同時に血管(物流)や神経(情報ネットワーク)で縦横に繋がっている。

そして、右手がひどく傷んだとき、残る全体がやるべきコトは何だろう?

それは、傷んだ右手のために諸活動を自粛して弔意を示すことでは断じてなく、個々器官の役割や得意分野に打ち込むことだ。
白血球は救急に現地に走ればいいし、骨髄は血液の増産に励めばよい。
肺は呼吸を「自粛」することなく、全細胞が精一杯活動できるよう頑張ればよい。


心を通わせることと、行動とを混同してはならない。
自分たちがヒトであることを再認識し、この高度な分業の恩恵をフルに活用せねば、それこそ破滅への道である。


・「ハナサケ ニッポン!」にサンドウィッチマン、登場
http://bit.ly/eo6Rxf

・現生人類における分業の発生について
http://bit.ly/hX0ES9

2011年04月07日

反自粛戦線を! その一~空気と戦う

みんな、じつはそんなに感じていないかも知れない。

でも、殆どのヒトが実は「自粛」を実行しており、その結果日本の「経済的破綻」の一翼を担ってしまっている


今回の東日本大震災で失われた道路や建物、設備などの総額は16~25兆円という。
また、生産設備等の被害によりGDPを1~3兆円引き下げると 。(4/23発表の政府試算)

まことに巨大な数字ではあるが、前者は、国富(ストック)の1%弱であり、後者はGDP(フロー)の0.5%弱である。

これで日本が滅びるわけがないし、経済的破綻に直結するわけがない。


それよりコワイのは、「自粛」という「空気」による全体的な経済停滞である。
国民みんなが縮こまって「外食を半分」にすれば、24兆円の半分、12兆円が吹き飛んで100万人以上の雇用 が失われる。

そこまで行かずとも、「毎月外食に行っていたのを1回止める」だけで8%減、2兆円の減少となるのだ。

我が国の500兆円に上るGDPの6割は直接個人消費に支えられている。
ここが消費を8%「自粛」すれば、それはほぼそのまま雇用や給与の減少となり、企業収益や法人税の減少となる。

それこそ破滅への道である。

今こそ個々人が、「反自粛!」の気概を持って、「自粛」という「空気」と戦わなくてはならない、と信じる。


・ユニクロ 柳井さん「自粛の程度がひどすぎる
http://bit.ly/ficUar

・東北の酒蔵 南部美人「義援金よりお花見を!」「自粛は経済的な二次被害」
http://bit.ly/heP3rW

2011年02月17日

月と星:良い目を持つと いうこと

プリンターのインクが切れたので、高島屋SCに夕方、買い物に行った。 

帰りに交差点で出会った、ベビーカー母子。 
子どもは2歳くらいかなあ。 

信号待ちの間に、その子が突然大きな声を上げた。 

「おかあさん、月だよ!!」 
お母さんもすぐ「ほんとだね」「いつも一番に見つけてエライね!!」 
そぷかあ、この家でも「月を最初に見つける競争」をやっているのね。 
いいことだ。 うんうん。


などと思っていたら、間髪入れず今度は
「一番星だ!」 


えっ、星も出ていた? 

いや、出ているに決まっているのだけれど、明るい交差点で、そこまでははっきり見えない。 
ちらりと横目でその子の顔の方向を確かめて、見てみれば確かにそこに星が。 

うーっむ、あれを見つけるとは・・・。 


そこですかさずその女の子が叫ぶ。 
「二番星も見つけたっ!」 

これまた自分ではすぐに見つけられず、彼女の顔の方向で何とか見つける。 

参りました。 
星を見つける競争も、これから取り入れましょう・・・。 


ホントに目の良い子。 
きっとその目が、あなたに色々な人生の幸福をもたらしてくれるよ。