カテゴリー: 03 生きる力
2012年03月02日
2012年02月28日
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2012年02月08日
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2012年01月13日
カテゴリー: 03 生きる力
2012年03月02日
三女の涙、次女の喜び、長女の試練
1. 次女の喜び
わが家でときどき預かる、こももちゃん。
先日は、保育園に送るために朝しばらく、家にいた。
受験勉強しながらあやしていた次女。
こももちゃんはいつもどおり、泣いたり、止まったり、泣いたり。
そしておぶわれて玄関に出たとき、見送りに来た次女の方を振り返って
「バイバイ」って言ってくれたそうな。
可愛い手を振りながら。
次女曰く「やられた」
こうやって少しずつ成長する子どもを見るのが、親の喜びなのねと悟ったらしい。
2. 三女の涙
三女が私の処に来た。
「都立I高校に行きたい」「でも今の学力じゃいけないから塾に行かせて欲しい」
満を持しての登板である。
なにせお父さんにこういう話をするのが苦手。
三女の主張をすべて聞いた後、私はいくつかの質問をする。
そもそもなぜ高校に行きたいの?実際に学校には行ったの?在校生や先生に話は聞いた?
「おねえちゃんが友だちの卒業生に聞いてくれた」
それはダメ。直接聞かなきゃ。もう変わっているかもしれないよ。
そのうち、三女の目から涙がポロポロ。
私はだまってティッシュ(正確にはトイレットペーパーの切れ端)を渡す。
しばらく話を続けて、OKを出したもの、追加調査を求めたもの、却下したもの、を確認して送り出した。
よく頑張った。でもまだまだ。がんばろー
(三女が座っていた椅子と、残されたトイレットペーパーの残骸)
3. 長女の試練
そう、三女の後ろには、長女がいる。
去年から三女の進路アドバイザーとして業務委託しているわけだが、三女のことが心配らしい。
三女が部屋に来る少し前に、電話をしてきた。
事前にブリーフィングするなんて、高度だね。
三女との話が終わった後、彼女と電話をした。
三女の涙については、
「わかる」「お父さんと話してると自分の至らなさがわかっていやになっちゃうんだよねえ(笑)」
と。
そうですか。ま、しゃあないねぇ。
いろいろ今後のことを話した後、メールで改めて頼んだのは
「やってあげる」じゃなくて、本人になるべくやらせるように、ということ。
頼りがいのあるおねえちゃんでもいたいのだろうけれど、ちょっと面倒くさいおねえちゃんでもあってね。
さて、明日は三菱東京UFJ銀行の行員研修@名古屋。テーマは『ハカる考動学』
明後日はKIT虎ノ門大学院の4期入試日。みなさんとの面接が楽しみ。
2012年02月28日
三女の楽しみ
三女は昔から、一人で何かをするのが好きである。
そして尋常ならぬ観察力と洞察力をときどき発揮する。
「一人で料理」編
小三のとき「ピクニックをしよう!」と言い出した。場所は3階のベランダである。
そしてそのピクニック用の料理をするという。5人分だ。
そのとき最初に叫んだのが「お母さんはだまってて!」だった。
ひとりでモクモクつくり、みなに振る舞いましたとさ。
ただ、そのとき、ちょっと量が少なく、みなそれに気が付いたけれど何も言わず「美味しかったね」と。
そしたらそのあと一人で「ちょっと少なかったね」とつぶやいていたらしい。
いまでも彼女はクックパッドを調べながら、一人でモクモクつくってます。
一昨日はキーマカレー。少し細切れにしすぎて、わかんなくなっちゃった食材もあったね(笑)
「家族の秘密」編
ある朝、三女が超ハイテンション。
一体どうしたのかと、周りに尋ねると、こんなことがあったらしい。
これは、私が次女に入試前に渡した「入試心得」である。
まあ、書いて電子辞書に貼り付けておいただけで、本人からも特にレスはなかった。
さて、これをその朝、三女が見つけて、すぐにあることをしました。
それは、なんでしょう?
それは・・・
たまたまいた長女に向かって「ねえ、おねえちゃんのときは、こんなことしてもらった?」と尋ねること。なんと鋭い突っ込み。しかもそっち向きとは。
「いいや」と答える長女。あははははーっと大笑いしながら、三女さらに追い打ち。
「ちょっと、しんみりした?」
う~ん、いいとこ突いてくるねえ。
「鬼軍曹」編
三女は結構、暴君である。
入試直前の1週間、次女のお目付役をやっていた。
テレビもダメ、マンガもダメ、パソコンもダメ!
次女が、勉強に飽きてマンガに手を伸ばそうとすると、そのカサッという音を背中で聞いて、そのまま「おねえちゃん、ダメだよ!」と叫ぶ。
ちょっとだけいいでしょ、と言っても、ダメ。
もう少しで終わるからと言っても、ダメ。
普段は逆なことも多いのだが、相手が立場が弱いとみるや容赦なし(笑)
「見る?」編
そして昨日からテストだった三女は、昨日夕方からもう家の話題を「次女の入試」から「三女のテスト」に持っていったのであった。
「うまく行った!」「でもこの数学の最後の問題がわからなかった」「ちょっと解いてみて」
でも今日は「うまく行かなかった・・・」「社会は好きで得意っていつも言ってて、今回は9時間もやったのに、最高でも83点しか取ったことない・・・」といろいろ愚痴った後、「問題、見る?」
はいはい。見させていただきますよ。
日本近代史、勉強になるなあ(笑)
2012年02月24日
2/24 女性課長塾@ラーニングスクエア新橋
日経BP初の、女性専用『課長塾』
場所は1000~1800 新橋のラーニングスクエアというところ、テーマは『決める力とビジネス分析力』でした。
実は『伝える技術』や『ほめる力』も入ってますけど(笑)
参加者は25名。
いろいろ、驚いたことがありました。
1. 再会
主催は日経Womanなのですが、お忙しい中、副編集長が督励にいらしていました。
すると彼女「家に取材に伺ったことがありますよ」と!
家に帰って調べたら、5年前、『日経キッズプラス』時代に取材いただいていました。お懐かしや。
2. 出会い
研修が始まる直前、参加者から「三谷さんは福井出身ですよね」と話しかけられました。しかも福井弁で!
ナニゴトかと思ったらなんと、福井から参加されていると。今の自分のスキルに問題意識を持って、会社を説得して派遣してもらったそうです。お金もそうですが課長塾は、時間が大変です。平日の丸一日×6回の研修に、よくぞ福井から!講師としても、気合いが入ります。
(しかも、実は私の従姉妹の旦那と同僚だったという・・・)
3. 気合い
参加された女性陣は、もちろんノリも良く、チーム毎に議論をしてもらっても、話はとぎれません。
ただ、激論を交わす、というきつい感じでもなく明るく進んでいきました。ところが『サバイバル』演習をやったら、6チーム中5チームがMove戦略を選択したのです。
なんという狩猟系女子たち・・・。
4. 分析
ビジネス分析パートで、顧客満足度と再利用意向のグラフを書いてもらいました。
でも多くの参加者が戸惑います。どんなグラフにする?軸はどうとる?
実はこれ、女性に限らず、男性でも同じなんです。
中高校で y=f(x) という「形」を習います。でも機械的に学ぶだけで、xが「変わる数、変えうる数」で、yが「結果」であるという精神までは習いません。
もし2つの数字の間の「因果関係」を探りたいなら、かならず、原因がxで結果がyです。
他にも「どんな分析のとき、どんなグラフが最適なの?」との質問も。Good question。後で答えますと約束しちゃいました。
5. 質問
時折、質問が出ます。私が質問を促さず、あるパートを終えようとしたときでも「質問いいですか?」と。それがまた的確なのです。
「重要思考と言うことですけど、必ず「誰」とか「重み」とかから話さなくてはいけないのですか?」
本にも書きましたが、どちらでもいいんです。誰や重みに共通認識があるなら「差」からでも構いません。
でも、多くの場合、なぜ議論がかみ合わないかというと、誰や重みが揃っていないからなのです。
そこまで説明したら、質問者が急に「あっ」という顔をしました。「わかりました!」
思い当たることがあったようです。今まで自分が経験してきたことに、理論や枠組みが重なったとき、突然の深い理解が生まれます。
6. 共育
最後に「共育論」を話しました。もちろん、課長塾としてのカリキュラムやシラバスには入っていません。
受けが悪そうならすぐやめるつもりで話し始めました。
そして20分強、話し続けました。みなさんが真剣なまなざしで聞いてくださったからです。
というわけで、あっという間の8時間(含むランチタイム1時間)。
参加のみなさんの、進んでいく力となりますように。
2012年02月14日
8-17=白9。三女のヴァレンタイン狂想曲
8個渡して17個貰ったらしい。(クラスの女子は14人・・・)
三女の今日のチョコ収支である。
圧勝である。(何が?)
で、もらっただけの人には「ホワイトデー待っててね」と。
そして、12人からのチョコがあふれるわが家。
三女は「そんなに好きじゃない」と家族にお裾分けしてくれた。
今日はクラス中がチョコであふれていたそうな。
そして三女曰く。
「でも、私のが一番目立ってたかな」
彼女は昨日、部活がなかったせいもあって、3時頃から夜までずーーーーーっと台所を占拠して生チョコボールとチョコ入りクッキーをつくっていた。
数日前にはリハーサルで試作品をつくり、バッチリだったはずが、なぜか上手くいかない。
チョコで精密な字や絵を描いた後、ちょっと固めてからクッキー生地を上から流すのだが、
・チョコが固まっていないと流れてしまう
・クッキー生地が堅すぎるとチョコが割れてしまう
・温度を高くして生地を柔らかくするとチョコが溶けてしまう
などなどで、絶妙なバランスが必要だとのこと。
それがリハーサルではたまたま一発で上手くいってしまっていたのだ。
結局、昨日はクッキー生地を5回つくり直したらしい(笑)
なんという執念。
今朝、8時に起きたら食卓の上に、その労作の1つがぽろり。
何も言わずに置いていった、三女でした。
2012年02月08日
大田区職員研修 保育・児童館関係者向け2012
昨年度から、大田区で「教育関係職員向け研修」をやっている。
丸一日、正味7時間の研修だ。
大田区役所において教育関係者とは、主に保育士さんと児童館職員さんである。
区立保育園、児童館が各々、70以上あるので、その数は膨大である。
その方々向けに、決める力、伝える力、発想力の研修を行っている。
昨年やったペットボトル演習を削って、その替わりに「伝える演習」を加えた。
参加者は昨年と同じく30名強。保育士さんが中心だ。
彼女・彼らはとてもノリが良い。
子どもたちと日々接しているせいか、感情表現が豊かだし、言葉も出てくる。
今回は研修の真ん中で質問コーナーを作った。
ただ「手を挙げて」では出てこないので「各チームで質問を1つ考えること」とした。
こうすると、必ず出てくる。集団心理の妙である。
・そのプレゼンテーションソフトは何か?(keynoteです)
・ご自身の子育てではこれらをどう活かしているのか?(最後に放牧的共育法として話します~)
・こういう題材はどうやって見つけてくるのか?(本と現場です!)
・今は理解したつもりでも復習をしないとダメだと思う。どうすれば?(本を読んでください!是非!)
・職場で勉強会をやってるのだが、そこの講師に呼べるのか?(もちろんです!)
とても良い質問がいっぱい、でした(笑) そして最後、こんな質問が。
・自分で考えろって言われるかもしれないんですけれど、これらを職場でどう活かせば良いでしょうか?
少し考えて、こう答えました。
私が保育士さん向けの研修をやろうと思い立ったのは、実は数年前の中央区での教員研修の場ででした。
小中学校の教員対象と思っていたら、保育士さんたちも参加されていて。
私のコンテンツはおわかりの通り、保育園児向けではありません。なのに、その方々からとても高い評価をいただいたのです。ここでの学びを職場で活かします!」と。
なのでやはり答えは「自分で考えてください」になると思います。みなさんこそが現場です。是非是非、よい活用法を考えて、そして私に教えてくださいね。
みなさん、期待しています!
今回の研修での1番の驚きは、「ほめる力演習」でのみなさんのノリ。
「気持ちがポジティブになった。すごくうれしい」との感想も。
2番目の驚きは、研修最初に「土曜に大人学研修で、高2の女子が参加していて、感想を聞いたら『親が出るべきと思いました』と答えていたんですよ~」と振ったら、休憩時間に女性が「その親でございます」と来られたこと。こいつはびっくり!
雪の舞う中、バイクで大森まで行ってきました。さむかったー。
2012年02月04日
大田区教育講座「子どもの発想力と決める力がアップする 究極の大人(親)学」
みんな必死でサバイバル中です(笑)
2月4日の大田区教育講座「子どもの発想力と決める力がアップする 究極の大人(親)学」でした。
2時間半あったので、決める力、発想力、生きる力、とフルコースにしましたが、決める力が盛り上がった(みんな時間オーバーしまくったとも言う)せいもあって、発想力はさわりだけ。
ああ、ハサミも紙コップも用意してもらったのになあ~
そして、参加者が真剣だったので、最後に20分オーバーして「生きる力=親学」をどーんと語りました。
ところで今回の参加者は、平均40歳の女性中心の30名。
年令は69歳から、なんと最年少は17歳。
終了後に、彼女と話しました。もちろん「親」ではなく、普通の高校生でした。
どうして来たの?→「親に、お前には(決める力、発想力が)必要だろう、と勧められました」
どうだった?→「う~ん。親が来るべきだったと思いました。私はこういう風には育てられてません!お小遣いも携帯電話も・・・」「どうすれば良いですかね?」
彼女には「親に『お手伝い至上主義でいこう!』を読ませる」「ただ自分の人生には自分しか責任とれないから自分で頑張るしかないねぇ」と伝えました。
今、気がついて良かったね。がんばろー
他にも多くの熱心な参加者がいらしてました。終了後も互いに何十分も話されていたり。
その中で、事務局としては少ないながら来ていた男性陣に「なぜ参加したのか?」を取材していましたね。やはりこういうイベントに来ることは少ないそうなので。
また、こういう機会が出来ると良いですね。
ちなみに17歳の彼女は、アンケートの「今後、子育てや大人の学びに関する講演会や学習会等があったら参加したいと思いますか?」に「参加したい」と答えてましたよ。
Good!
2012年01月18日
長女の長女たる所以(ゆえん)
長女はハタチ。
( ゚∀゚ )(さいたまと入力するとこう変換される・・・)でひとり暮らしをしている。
で、一昨日の深夜のメール。
「またかぎわすれた?」
本人はしっかりしているつもりだが、相当忘れ物・落とし物が多く、家のカギに始まって財布丸ごととか通帳とか、何回も落としまくっている。(ちなみに今回は「ぽっけにあった(笑)」だとさ)
性格で言うとどうなのだろう。昔は1人でいることも多かったが、最近は仲間と遊ぶことも増えた。
部活でもいじられ役だが、それにも慣れてきたらしい(笑)
本人はそれを「血液型がB型だとわかってから、性格がB型になった」と言っている。
何を分けわからんことを(爆)
まあ、それはともかく、お姉ちゃん歴18年の彼女は、最近結構頑張っている。
で、今朝のメール。
「次女がやる気を失っております」
大学受験を控えた次女は、淡々として入るがそれなりに起伏がある。
2ヶ月に一回くらいは「やる気出ない」状態に陥る。
塾などに一切行かず、自宅でモクモクやっているだけにそうなると回復が難しい。
そこでお姉ちゃんの登場である。
そういう訴えは、大抵すぐ彼女に入るので、それを親たちにも伝え、本人も対策を練る。
センター試験明けでまた「やる気出ない」次女と、明日も遊びに行くらしい。
と思ったら場所は地元の二子玉川だそうな。
「移動時間がもったいない」という次女の要望で・・・
お金はお父さんが出してあげるから、盛り上げ業務頑張って、と長女にメールする。
で、さっきまたメールが。
「ぺけぽん」
なんだこりゃ・・・三女に関するものである。
三女は将来の夢がイロイロ変わる。
それはいいのだけれど、中2でそろそろ「進路」や「目標」を決めなくてはいけない。
それを親は一切与えないので、本人次第である。
とはいえ、彼女に直接聞くと「校舎がキレイなこと」「制服が可愛いこと」がダイジだと言う。
「3年間通うモチベーションってダイジでしょ!」と。
その通りだけどね、それだけで決められちゃあ、困ります。
ということで長女に指令を飛ばし、三女への進路相談役に任命する。それが半年前。
当初は長女の進路的問いかけを華麗にスルーしまくる三女。
どうなるものかと思っていたが、最近、三女もようやく考え初めて、志望校を調べたり、考えたりし始めたらしい。都立は4つくらいに絞ったとか。
といった進捗報告が、ときどき長女から来る。
「ぺけぽん」も、そのひとつだった。
マックのバイトがまだまだうまくこなせず、久しぶりに「できない子」として劣等感を感じたりもしているらしい。
マック恐るべし(笑)でもいい経験だね。
キミの最大の強みは、キミをお姉ちゃんと仰ぐ、妹たちがいることさ。
長女の醍醐味でも、ある。ガンバんな。
期待してるよ。
史上最高のアクセス数を集めた三女ネタブログはこちら。
2012年01月14日
紀伊國屋玉川高島屋店での小さな出来事
2枚の写真があります。
上は水曜日のもの。下は今日のもの。
さて、何が違うでしょうか?
・『一瞬で大切なことを伝える技術』の冊数?
→確かに違いますが、そうではありません。
・周りの本の配置
→確かに違いますが、そうではありません。
・両隣の本が、平積みから縦置きになった
→鋭い。平積み戦争に勝ったとは言えるでしょう。でも、もっと面白いことです。
ヒントです。
ポップをよく、見てください。
わかりましたか?
上では、POP立ての金具が、POPの文字に掛かっています。
でも、下では掛かっていません。見やすくなっています。
それにはこんな、小さな物語が・・・。
今日、次女・三女と紀伊國屋に見に行ったときのこと。
11日は次女と「直前センター問題集」を買いに来たついでに見ていました。なので、次女は私に「また減ったねえ~」と言ってきました。
私はそれに、「多分ね。だけど前回は2冊で、今は3冊でしょ。補充された後に減ったってコトだよね。それは何冊かなあ」などと返します。
次女がその問いに答える間に、三女が何も言わずにPOPに手を伸ばします。
何をするんだろうと思ってみていると、POPを金具から外して、すぐまた差し込んだのです。
今度は、文字に、金具がかからないように。
終わっても、彼女は何も言いません。別に自慢したいわけでも、ほめてもらいたいわけでもないらしい。
見にくかったから、見やすくしたの。当然でしょ。
そんな声が聞こえた気もしました。
ありがとう。
お父さんも実は、金具が文字に掛かっていたのはわかっていた。
ちょっと読みにくいなって、思ってた。でも、そのままにしていたんだ。
それを直してくれて、ありがとう。
夕食は3人でSCのカレーうどん屋さん。美味しかったね。
2012年01月14日
2012年01月13日
美智子皇后のお歌によせて
いつも特に関心は無いのだが、たまたま1/12に行われた「歌会始」のニュースを見た。
天皇陛下
津波来(こ)し時の岸辺は如何なりしと 見下ろす海は青く静まる
美智子皇后
帰り来るを立ちて待てるに季(とき)のなく 岸とふ文字を歳時記に見ず
と詠まれたという。
天皇のものは、ああ実直な方なのだな、と思った。
天皇の歌に評価など誰もしない。だから思ったそのままを詠めば良い。
ストレートで、でも海の怖さと深さを感じさせるものだった。
美智子皇后の歌は、初めはよくわからなかった。
すぐには上の句と下の句が、つながらない。
上の句:ずっと立って待ち続けている
下の句:「岸」は歳時記にない
「岸」がお題であることは知っていたが、それが歳時記にないからどうだと言うのだろう。でもそのときひらめいた。
上の句で「季」を「とき」と読ませているのはなぜだ?そうだ、季語だ!
歳時記にないとは季語ではないということであり、つまりは「どの季節であろうがいつでも」という意味なのだと。
津波に家族を流されたものは、岸に立ってその帰りを待ち続ける。
季節も年も関係なく、いつまでも。
きっとそういう意味なのだろうと直感した。
まさに美智子皇后の知性と感性と慈愛の結晶である。
実は結構、美智子皇后は好きである。
昔、『橋をかける』を読んだからだ。
国際児童図書評議会(IBBY)の名誉総裁である彼女は、1998年夏、ニューデリー大会の基調講演をビデオで行った。
大会のテーマは「子どもの本を通しての平和」
彼女はそれに対して「子ども時代の読書の思い出」と題して、幼少時からのそして母となってからの読書経験を語った。
そして最後子ども時代の読書の価値について、述べている。少し長いが、抜粋しよう。
「今振り返って、私にとり、子供時代の読書とは何だったのでしょう」
「何よりも、それは私に楽しみを与えてくれました」
「それはある時には私に根っこを与え、ある時には翼をくれました。この根っこと翼は、私が外に、内に、橋をかけ、自分の世界を少しずつ広げて育っていくときに、大きな助けとなってくれました」
「読害は私に、悲しみや喜びにつき、思い巡らす機会を与えてくれました。本の中には、さまざまな悲しみが描かれており、私が、自分以外の人がどれほどに深くものを感じ、どれだけ多く傷ついているかを気づかされたのは、本を読むことによってでした」
「悲しみの多いこの世を子供が生き続けるためには、悲しみに耐える心が養われると共に、喜びを敏感に感じとる心、又、喜びに向かって延びようとする心が養われることが大切だと思います」
「そして最後にもう一つ、本への感謝をこめてつけ加えます。読書は、人生の全てが、決して単純でないことを教えてくれました。私たちは、複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。人と人との関係においても。国と国との関係においても」
美智子皇后は語ります。この世界がいかに複雑で悲しみに満ちていて、苦しいものであるか。
そして読書こそが、それを理解し、それに耐えるための喜びを与え、違いを乗り越えて平和へとつながる「橋」をかけてくれるのだと。
書題の『橋をかける』はきっとここから来ているのでしょう。
この基調公演ビデオは、NHKによって収録され、放映されました。多分私はそれを見たのだと思います。
衝撃でした。
彼女がこの世界の困難さを、正面から受け止めていることに。
そして、本という私の最も好きなものにこそ、それを乗り越える力があるのだということに。
それからずっと隠れファン。
美智子さま、ご健康に、気をつけて。