2011年10月19日

Steve Jobsに捧ぐ ~学びの源泉とダイヤモンド・オンライン

2011.10.14に「学びの源泉」で『プレゼンテーション・クロージング(Jobsに捧ぐ)』をリリースしました。


テーマはプレゼンテーションでのクロージング(締め)です。
もともとこの原稿はマイクロソフトのWebマガジンでの『伝説のプレゼンターを目指せ!2』の最終回用に書かれたものでした。でも、「マイクロソフトのメディアでJobsを誉めるのもねえ」との声が出て(笑)、Jobsパートはお蔵入りしていたのでした。

もちろん彼のスタンフォード大学でのスピーチを取り上げたのですが、こまかいテクニックでなく特に最後の言葉(クロージング)に注目したものです。

Stay hungry. Stay foolish.

これは彼自身の言葉ではありません。
「Whole Earth Catalog」最終号の裏表紙に掲げられた、編集者から読者への、最後のメッセージでした。

そして彼はそれを3度、唱えます。
彼がそのクロージングで、本当に伝えたかったことは、なんなのでしょうか。


2011.10.18にダイヤモンド・オンラインの「構造的やわらか発想法」で『特別講 スティーブ・ジョブズは、本当は何に優れていたのか』を公開しました。
ダイヤモンド・オンライン側がプッシュしてくれたこともあり(巻頭での7つに選ばれた)、アクセス数は大いに伸び、なんと昨日のトップ3となりました。
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ここでは、彼のビジネス上の業績をすこし冷静に論考してみました。
きっかけはその数日前、NHKがJobsを特集して「まったく新しい製品をつくった」と連発していたからです。
そんなバカな。
私はiPodが最初に出たときの自分の感覚や世間の反応を良く覚えています。

それは「今更なんでこんな儲からない成熟市場に」でした。
デジタルオーディオプレイヤーでは日中韓のメーカーが死闘を繰り広げ、すでに儲からない商材へとなっていたのです。
そこに最後発として参入したのがApple社でした。iTunesも類似品がすでにありましたし、かつMacでしか使えない面倒なものだったのです。

しかしその醜いアヒルの子は、2年後大きく羽ばたきます。

この記事でも、最後はJobsのあの言葉です。
Stay hungry. Stay foolish。

スティーブ・ジョブズという稀代の英雄は、いったい何をどう成し遂げたのでしょう。
そして、彼のなした最大の成功とは一体なんでしょうか。

是非、お読みください。

2011年10月16日

JA共済研修@海浜幕張 「次は自分が講師の気迫!」

水曜日はお仕事。
海浜幕張駅近くに、JA共済連合会専用の研修センターがある。

うちからバイクで1時間前後。(電車だと90分)

11時から日本中から集まったJA共済のみなさん向けの、3時間研修を行った。
といっても、お昼を挟んで4時間の枠があったので、ランチを45分にして、最後20分延長して、実質3時間35分(笑)

決める力と発想力の両方を、やったからねえ。

参加者の年齢層はバラバラなんだけれど、各チーム、割と議論は弾んでいた。
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ただ、参加者の特徴として共通してよかったこと、足りなかったこと、いろいろあり。

事務局のひとには伝えたので、次にそれがいかされるといいなあ。
いや、各自の中で、研修の内容がいかされていくことが一番なのだけれど。


「次は自分が講師、の気迫!」をもって講義を受けるべし
と最初に話してからスタートしたが、これが一番心に残ったとのコメントも。
参加者は各地でJA職員さんに対して、共済のビジネス指導にあたっている。だからなのだろう。

知識だけなら本を読めばいい。
講師が前にいる価値は、その技を盗み、知識を覚えるのではなく、教えられるレベルにまで自分を高めるチャンスがあることだ。


面白かった評価(満足度ではない(笑))は、5が87%。

次の研修予定は
10/23(日)1500~1630 白金台 小3と親向けの発想力授業
10/26,11/2.3                   福井県生活学習館で決める力と発想力講座 

2011年10月11日

音楽日記:2011秋 androp、SEKAI NO OWARI、サカナクション

andropの最新作、relight
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andropのメジャーデビュー第一作。Relightがいいかな。
anew、doorが秀作だったので、ミニアルバムのnoteも買ってみた。
これでandrop制覇(笑)


INORIはSEKAI NO OWARIの新作。
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歌うテーマがすべてシリアスなのがこのバンドの特長。
ムリせず、でも頑張って欲しいかな。


サカナクションのDocumentaLyは、素晴らしい。
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このバンドは毎回その音楽性の高さやレベルの高さに驚かされる。
特に はまっているのはエンドレスという曲。


誰かを笑う人の後ろにも それを笑う人
それをまた笑う人
と悲しむ人

悲しくてなく人の後ろにも それを笑う人
それをまた笑う人
と悲しむ人

(中略)

誰かを笑う人の後ろから 僕は何を想う?
それをまた笑う人
と終わらせる人

(中略)

後ろから僕は何て言おう? 後ろから僕は何て言われよう?
見えない世界に色をつける声は誰だ

AH この指で僕は僕を指す その度にきっと足がすくむ
見えない世界に色をつける声は僕だ



ああ、これはきっと山口一郎の心。

2011年10月08日

11月の新刊タイトル決定。『一瞬で大切なことを伝える技術』!

昨日、かんき出版内で会議があり、私の11月の新刊タイトルが決まりました。


『一瞬で大切なことを伝える技術』

です。
これまで『伝える技術(仮)』としてきましたが、これからは『伝える技術』、『一瞬で伝える技術』もしくは『一瞬で大切なことを伝える技術』と書きます(笑)

Facebookでいち早く公開したところ、いろいろなコメントが寄せられました。

・ズバッと来た / ズドンと来る感じ / その技術、素直に欲しい
・即買いしそう
とかに加えて、

・『伝える力』by池上彰 と競合しないか?このタイトルへの思いは?
・『伝わる技術』の方が良くないか?
という提起も。

それへの回答でもないですが、本質を突くコメントもいくつか。
・伝えたいことは、シンプルにしないと伝わらない
・一瞬で伝わらなかったら、ずっと伝わらないです
・コミュニケーションはまさに一瞬。そこに踏み出せないところをどう突破するのか

この本では『重要思考と呼んでいますが、おそらく、伝えることの本質は表現方法ではなく、中身と構造という思考法なのです。そしてそれらが実は超単純で、複雑な構造や手順は必要ありません。

MECEもピラミッドストラクチャーも、要りません。

自分が言いたいコトは相手にとって重要なコトなのか、という点だけきちんと考えればよいのです。
それが明確なら、大切なことを、一瞬で伝えられるのです。

ああ、そんな本なんですけどね。
店頭で、ネットで、うまく伝えられるといいなあ・・・・。

カバーデザインは2週間後。
発売は1ヶ月と1日後。
アカデミーヒルズでの発刊記念研修(有料)はその翌日。

おまけ。
先日『発想の視点力』の中国本土版が刊行されました。
本日、見本が届きました。これで、台湾版と合わせて中国全土制覇です(笑)
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2011年10月05日

10/3アカデミーヒルズでライブラリートーク!

ライブラリートークは、4回目かなあ。

基本は著作について話すのが、ライブラリートークである(たぶん)。
六本木ヒルズのアカデミーヒルズ会員限定(同伴者可)で、無料のイベントである。

普通は数ヶ月先まで一杯で(しゃべりたい著者が多い)、なかなか新刊とタイミングを合わせるのは難しいものでもある。

今回は、こちらからの働きかけが遅れて、3月出版の本のものは出来ないかなあと思っていた。
ところが急遽、10/3が空いたのでやりますか?と。

是非、と引き受けたものの、3月のは親向けの本と子ども向けの本。
ライブラリートークではやはりビジネスネタが好まれる。
なかなか親向けの話ではヒトが集まらないのであった。

でも、演題を「Post 3.11 子どもたちに何を伝えるのか~知識・情報力より判断力・考動力~」としたせいもあって、徐々に申し込みが集まり、最終的には40名近くのエントリーがあった。
良い感じの数である。


当日は、サバイバル演習に始まって、発想系の演習も絡めて、90分を休憩なしで一気に。
参加者のノリは非常に良く、要所で笑い声がおこり、議論も活発。
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大いに盛り上がって講師としては、十分楽しかった。
講演後は、コーヒーが入って歓談タイム。ここにも半数以上が残って、いろいろな会話が。ここでの質問や話に価値がある。うん。
参加者アンケートでも、まあまあの結果。

参加者の年齢層は、30代40代半々くらい。数名50代以上。
アカデミーヒルズの平均像よりは、30代が多かったらしい。やはり子育てへの関心が高いのであろう。ただし色々な意味で。

「こんな時代に本当に子どもを持って良いのだろうか」

そんな不安を持っているヒトも何人か。
そういうヒトたちに元気や勢いをあげられるものであったら、いいのだけれど。


11/10にはアカデミーヒルズ 六本木スクールで有料の出版記念講座。
『伝える技術(仮)』の神髄を伝えん!

2011年10月02日

9/21長岡市 旭岡中にて!~地域保護者・教員講演編

の続きである。

夕刻から開かれた、地域保護者・教員のみなさんへの講演が、今回の訪問のメインである。

旭岡中の保護者教員の方を中心に、地域の小学校・幼稚園の関係者のみなさん数十名が集まっていただいた。
思い返せば当日は台風12号が東海・関東を襲った日で、長岡もどうなることかと思っていたのだが、天気予報通り少雨ですみ、参加者も予定通り集まっていただいた。
(前日や午前中には「ほんとにやるの?」「中止の連絡はないね」という感じだったらしいが(笑))

長岡市は「ワクワクお手伝い運動」を市を挙げて取り組まれている地域である。
前の日記にも書いたとおり、今回は特に「演習」的なものをやらずに、お手伝い系の話だけで、やってみようと思い、トライした。

最大の強みを手放す、であった。

なので、最後には細かい「三谷家のお手伝い事例」「よかったこと」などもお話しした。


あっという間の100分間。
みなさんのノリや集中を感じたので、ついつい詳しく話してしまい、なんと質疑応答の時間がなくなった。
しかも、私の手配ミスで、feedbackアンケートも作っておらず・・・・。

そういう意味では大失敗。
参加者のみなさんの生の声やレスポンスを受けることが、大目的だったのに・・・・。

あ~、まだまだだなあ。反省。



でも、そのあと、担当の先生たちや教育委員会のみなさんと夜の部。
そこで、じっくり、いろいろなお話を伺えた。
長岡の夜の街、最後に「締めのラーメン」を求めて雨中彷徨ったのもよい思い出(笑)

2011年09月30日

お手伝い日記:夜中に娘たちをたたき起こすの巻

夜中、次女、三女がちゃんと家事をやっていないとの報告を受ける。 

2人とも事情は違うが、ここ1~3ヶ月、まったくもって不十分な状況。 
もちろんこれではダメである。 

しばらく考えたが、 
・私が直接言う 
・ちゃんとできないなら高校も大学も行かせないと伝える 

ことにする。 

2人とも寝ているので、翌朝、とも思ったが、学校に行く前にそれでは気分が悪いだろうなあとも思い、たたき起こすことにする。 

床についたばかりの三女はすぐ起きたが、次女は深く眠っていてなかなか起きない。 
でも枕をぽんぽん蹴って起こす。 

「座って」と言って、正座させる。 


まずはお手伝いの状況を自己申告させる。 
2人ともちゃんとやっていないと言う。 

理由も聞くけど、大したものはないという。「それではダメ」 
各自、何をやるのか、を確認して、明日からちゃんとやるよう厳命する。淡々と。 

まずは翌朝、それを各自、お母さんに伝えるように、とも。 
数分で終了。

夜中、次女は「お父さんに怒られた」と泣きながら、母親に報告したらしい。 
三女からは今朝、何も報告はなかったらしい・・・。 


まだまだ戦いは続くのであった。

2011年09月27日

ヒトが集うデザイン

箱もの行政という表現がある。 
箱(建物や建造物)だけつくって中身がない、初期投資だけして運営・メンテに手が回らない・・・。 

そんな公共投資のことを揶揄した言葉だ。 
日本中に、使われない○○ホールや××館は山ほどある。 
大抵は国の補助金がたんとつくから自治体は自分たちのお金だと思わない。 
ムダのし放題である。ああ、情けない・・・。 

そんな中でも、光る公共建築はある。 
そしてそれらは、確実に「ヒトが集う」場所となっている。 

いや、結果としての集客ではなく、最初から「ヒトが集う」とは何かを考え抜いているからこそのデザインだ。 
そして、デザインというものが、それを実現する力のあるものなのだ、ということを教えてくれる。 


ケース1:せんだいメディアテーク 

2001年、伊東豊雄の設計。 
外観は全面ガラス張りで、しかも床が極端に薄い。

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この建物は内部にチューブ上の構造が13本あり、それが建物を支え、配管を担っている。 
結果としてフロアには通常の柱が一切なく、広々とした有機的空間がつくり出されている。 
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この建物そのものが、ヒトが集う森であり、林なのだ。 

だからこそ、床は薄くあって欲しかった。チューブ(木の幹)を中核とするために。 
地元の造船会社である高橋工業の力を借りて、わずか41cm厚の床が実現した。 

今、せんだいメディアテークは、「町のリビング」のような場となっている、という。 

(今回の東日本大震災で被災したが、大きな被害はなく2ヶ月後には再開した) 


ケース2:馬見原橋(まみはらばし、熊本県) 

1995年、青木淳の設計。 
上下二重、唇の形をした橋。下橋が歩行者専用で幅7.5mの板張りのフロア。 

下橋の上には自動車等が通る幅5.8mの上橋があり、下橋への屋根ともなっている。
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つまり、下橋は長さ38m、幅6mの宴会場でもあるのだ。 

もともとの地元の要望は「人目を惹くモニュメント的なもの」だった。 
しかし建築家はそれを否定し、地元のヒトが集う場所としての橋、を提案した。 
大手設計事務所から独立したばかりの建築家の、勝負だった。 

彼はなんとかかんとか説得に成功し、馬見原橋は実現した。地元のための橋として。 

そして今、橋はふだんの憩いの場所として、そして地元のイベント会場として、ヒトを集めている。 
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優れたデザインは、ヒトを集められる。
 
問題は、それを実現するための技術であり、決断なのだ。

2011年09月25日

閑話休題:おはぎ事件

私は、甘いものが結構好きである。

大判焼きや鯛焼き、豆餅におはぎ。
秋はおはぎの季節である。

昨晩、1人で食事をしたのだが、お弁当とともに、おはぎ(3つ入り270円)を買って帰った。
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食後、きなことごまおはぎを食べ、最後の1個は置いておいた。


深夜、今年いっぱいで撤退する「ZED」と夜のTDLを楽しんだ娘たちが帰ってきたのだが、その直前に弟家族もお散歩のついでに立ち寄り、わらわらしていた。

彼らが帰ったあと、おはぎを食べようと思ったら、知らぬ間に半分になっているではないか!

犯人は誰だ!?
そういえばさっき、三女が台所で挙動不審だった!


親のベッドで寝ていた三女に尋問。
「おはぎ食べたでしょ」

「うん」
「3つのうち1つだけ残ってるから、これを買ったひとは、きっと一番好きなのを残したんだろうな~、って思った」
「でも、そのひとはもう2つも食べたんだから、いいか!っと思って食べた」

一理あるね。うん。


「だけど、そのひとってお父さんしかいないでしょ!」

「う~ん、考えてみればそうだねえ」


考えてみれば、じゃな~いい。
黙って食べたから、久々に、コチョコチョの刑。

2011年09月25日

赤と石の聖戦 MotoGP

三谷家で、ロッシと言えば?
ロッシ。メッシじゃないですよ。

そう、それはもちろんGPライダーのバレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi)

間違いなく史上最高のライダーで、太陽王とすら称される。
バイク界の最高峰クラスで7度の世界チャンピオンとなり、通算勝利数も100を超える。

陽気で職人なイタリア人は、わが家の娘たちにもかなり人気である。
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私はケーブルテレビのG+で、世界選手権全戦を全クラス観戦している。
毎回、延べ約4時間。
録画なので飛ばすときもあるが、大体は食事中とかにつけっぱなしにして、全部見る。
125cc、Moto2、MotoGPと、3レースだ。

なので娘たちも
バレンティーノ・ロッシとか、ホルヘ・ロレンソとかダニィ・ペドロサとかの名前を言えたりする。
長身で攻撃的で髪の毛パンクのマルコ・シモンチェリは、「もじゃもじゃのヒト」だけど。

さて、今期、ロッシが絶不調である。
いや、それはきっと正確ではなくて、成績が悪い、が正しいのだろう。

彼はホンダ、ヤマハとワークスチームを渡り歩いて、今年から母国イタリアのドゥカティに移った。
もちろんイタリアでは大騒ぎだ。
『王者の帰還』として、ドゥカティは売上も株価も大きく伸びたほど。

なのに、今期は14戦して3位が最高。それも一度だけ。
ランキングは6位に沈んでいる。同僚のニッキー・ヘイデンが7位で、ドゥカティはさんざんだ。

原因は、なんだろう?

さまざまな分析がなされているが、今のところの結論は、
・ドゥカティ マシンの生来のハンドリングの難しさ
・新フレーム開発の失敗(カーボン製)
・ドゥカティマシンの特性と、ロッシの走法のアンマッチ
とされている。

要はライダーたちでなく、マシンのせいだと。

一方、2011年のチャンピオンとなりそうなのが、ホンダのケーシー・ストーナー(Casey Stoner)だ。
14戦して8勝。表彰台を逃したのは、ロッシにぶつけられてリタイアした1度だけという安定ぶりだ。
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追いすがる前年チャンピオンのロレンソとは59ポイント差。おそらく逃げ切るだろう。


さて、ホンダ・ヤマハからドゥカティに移って困っているバレンティーノ・ロッシと、ドゥカティからホンダに移って絶好調なケーシー・ストーナーの話であるがいきなり話は核心に入る。

ジャーナリストがストーナーに謝罪した、というのである。
テレビ解説の宮城光氏の話である。


昨年、ストーナーはドゥカティのハンドリングに問題があると言っていた。
ジャーナリストたちは「成績不振の言い訳だ」と取り合わなかった。
ストーナーはそれでも3勝をあげ、ポジションも年間4位を維持した。
今期、ロッシがドゥカティに苦しみ、同じくハンドリングに問題ありと言っている。

「キミの言っていたことを取り上げなかったのは間違いだった」とそのジャーナリストはストーナーに謝ったという。

ストーナーはホンダに移籍後、テスト走行でこう発言していた。
「ドゥカティとホンダを比べることはできない。まったく別物だから」
「ただとにかく、ホンダはスムーズだ。こんなにスムーズに操作できるのは驚きだ」

と。彼は今、最強の武器を得て、キャリアの頂点を疾走している。
時速340kmで。
彼の芸術的に美しいライディングを、しばらくは嘆息とともに見つめよう。
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王者ロッシは、これでは終われない。
彼の価値はそのライディングだけでなく、マシンの開発能力にもある。

これまで、ホンダを、そして移籍直後からヤマハを、チャンピオンマシンにしてきた。
的確に問題を伝え、方向性を出す。

ドゥカティでも、カーボン製のシャーシに異を唱え、アルミ製を導入させた。
エンジンも、年間6機という使用制限を超えてテストしている。
10秒後にピットスターというペナルティを覚悟してでも。
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今期中にそれらが奏功する保証はまったくないが、太陽王の沽券にかけてのマシン開発作業がレース上で進められている。

これもまた楽しみだ。


Rossi 赤と、Stoner 石を投げるヒト。
イタリアと、オーストラリアの至宝たちの戦いは続く。

おお、ロレンソとペドロサも忘れてはいけない。他クラスを席巻するスペイン人ライダーの頂点だ。
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今年もあと4戦。熱きバトルを期待する。
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