カテゴリー: 08 執筆生活
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カテゴリー: 08 執筆生活
2014年03月23日
『ビジネスモデル全史(仮)』本の原稿、ほぼ完成。ここまでの経緯
昨年秋、ダイヤモンドHBRから依頼を受け、「ビジネスモデル全史」という論文を書くことになりました。
実は私は「ビジネスモデル」という言葉がキライでした。
みんな、あまりにテキトーに使うからです。
大学院のクラスで禁止用語にしている「KSF(成功要因)」くらいキライです。
大した意味もないのに「カタカナ」なので、それらしくなってヒトの思考を停止させてしまう、と感じていました。
なのに、『経営戦略全史』を書いて以来、「『○○全史』書けませんか?」というご依頼の多いこと…。
「マーケティング戦略全史」「人事戦略全史」も断ったのに、ましてや「ビジネスモデル全史」なんて!
といっても気が弱いので、メールでNoとお断りも出来ず、DHBR新編集長 岩佐さんとお会いしました。
そして、なぜか引き受けることに orz
しばらく勉強してみたら、「ビジネスモデル」という奴が、それほどダメな奴ではないことがわかってきました。
ゾットやアミットという学者さんたちが、しっかりした研究を行っていること。
ビジネスモデル論の歴史は短いが、ビジネスモデル革新の歴史はずっとずっと長いこと。
クリス・アンダーソンの『ロングテール』『フリー』『MAKERS』のすべてがそうであること。
少し楽しくなってきて、どんどん勉強を続け、しばらくして書き始めました。
まずは、国際的な為替・決済システムの構築に寄与した「メディチ家」のお話からです。
書いていたら、いつの間に依頼を受けていた「7000~9000文字」を越しそうになっていました。
まあ、余った分は、別のときに使えばいいや、と書き続けました。
最終的にできた原稿はなんと1万8000文字。前半は「メディチ家からスクエア革命まで」の、テーマに沿った実例集で、後半がビジネモデル論の歴史です。
一旦そのままDHBR編集部に渡して、判断を仰ぐことにしました。
1. そのまま使う
2. ちょっと削る
3. だいぶ削る
のどれにするか、と。ただ、3の場合には前半後半を半分ずつにするのは難しいので、前半か後半だけにしようと。
結局、岩佐さんの英断で、2でいくことになりました。全体ベージ数の問題もあったでしょうに、ありがとうございました。
後半内の事例を削って、1万5000文字にしました。
その後、校正を続けて素敵なデザインもしてもらい、3/10、DHBR 2014年4月号として世に問われることになりました。
『ビジネスモデル全史』。特集の巻頭論文です。
実はこの論文の原稿は、昨年12月には大体書き上がっていました。
執筆の途中、DHBR側の都合で〆切りが1ヶ月繰り下がっていたのです。
でも、勉強したものは早くはき出さないとマズイので、一気に書いてしまいました。
ただ12月末に入稿されても編集部としては困ります。目の前に2月号や3月号があるのに、4月号の原稿なんて見てられません。
なので私は原稿を出した後、しばらくヒマになってしまいました。
ところが頭はまだ「ビジネスモデル」で動いていたので、その勢いをディスカヴァーにぶつけることにしました。
「ビジネスモデル全史、って興味ありますか?」
DHBR論文(まだ出ていないが)の書籍化企画は、ディスカヴァー社内ですぐ承認され、本の執筆が動き始めました。
問題は分量でした。
担当者でもあるディスカヴァーの干場さん、原さんとの打ち合わせでは、私が「(頑張って)200頁くらいにはします」と言い、干場さんが「300頁くらいかな~」と言っていました。
私の作戦としては、2万文字弱ある元原稿に、事例を中心に書き足して、8万文字くらいにするつもりでした。それで、200頁強。
干場さんは『経営戦略全史』を手にとりながら、ボリューム感を確かめながらの言葉でした。
結局、書き上げてみたら、また400頁超となりました。
8割方は筆の赴くままに、楽しく書き続けた結果です。
あと2割くらいは「これも書かなきゃマズイでしょ」の結果です。
たぶん後者をもっとマジメにやっていたら、このさらに倍以上になったでしょう。
それくらい「ビジネスモデルの全史を書く」というテーマは無謀に近いチャレンジでした。
でもまあそこはそこ。『経営戦略全史』のときと同じく、自己責任で「これ!」と選んでいきました。
きっと「なんでこれは入ってないの?ありえない」というお叱りを、今回もきっといっぱい受けるでしょう。
でも、「じゃあ、次のときに」とか「ではみなさんが」と思うことにしています。(事実誤認は別にして)
どこかで見切らねば仕方がないし、みんなに100点のアウトプットはないからです。
そして、
これが今回の原稿(初稿)の全体像です。丸3ヶ月はかかりましたかねえ。
最期の数日で、150枚余りの図版を書きました。簡単なものから、複雑なものまでいろいろですが、3連休の30時間を投入して、なんとか。
序章と第1章は、DHBR論文とほぼ同じです。
でも、第2章から第6章はほぼオリジナル。書き下ろしの「ビジネスモデルの歴史」です。
まだちゃんと数えていませんが、60以上の企業の栄枯盛衰が語られていきます。
知っている企業、知らない企業。
ほんとうはそうだったんだ、という企業。
それらを立ち上げ、変えていったリーダーたち!
出版時期はまだ未定ですが、ディスカヴァーも準備万端(のはず)。
早くみなさんの手に届きますように。
みなさんの感想が聞けるのが、いまからとても、楽しみです。
2014年03月11日
ダイヤモンドHBR 2014年4月号『ビジネスモデル全史』
『ビジネスモデル全史』というこの論文名には、2つの意味が隠れています。
ひとつ目は「ビジネスモデル」の「ビジネス用語・経営戦略用語」としての歴史です。
このちょっと野暮(やぼ)でものすごく曖昧(あいまい)なビジネス用語は、これまで数奇(すうき)な運命を辿(たど)ってきました。無視されたり、ほめられたり、貶(けな)されたり、そして、尊敬されたり。3期に分けられるそのビジネス用語としての歴史を、まずはざっと見てみましょう。
1期は、はるか昔から1990年頃までです。
ビジネスモデルというコンセプトや言葉は存在していたものの、大して見向きもされず、ときどき使われるくらいの言葉でした。本当はそれによって多くのイノベーション(革新)が生まれていたというのに。
しかし2期、1991年頃から2000年まででいきなりの絶頂を迎えます。「ネットビジネス の説明」用として。
1990年代中盤、インターネットの急激な普及によってネットビジネスが勃興(ぼっこう)します。1994年にはブラウザーのモザイク が発明・公開され、アマゾン、ヤフーが創業します。98年にはそういった仕組み自体が特許化(Pricelineの逆オークション方式)もされ、あらゆる起業家や投資家、経営者やメディアがその言葉を使い、学者たちも追随しました。
だからこそ2001年のドットコム・バブル崩壊で、「ビジネスモデル」という言葉は陳腐化し、消えて無くなるはずでした。他の経営流行語 のように。
でも、「ビジネスモデル」は見事に復活を遂げました。2つの新しい使い途が分かったからです。
1つは「競争優位の持続性」への解答として、もう1つは「イノベーションの起こし方」への解答として。いずれも21世紀の経営戦略論が抱える最大テーマであり、「ビジネスモデル」は2002年以降、3期として2度目の絶頂を迎えています。
『ビジネスモデル全史』という名前のもうひとつの意味は、(私の定義でいうところの)ビジネスモデル革新(イノベーション)の歴史です。
歴史上、どんな大きなビジネスモデルが存在し、そしてそれはどこでどうやって生まれてきたのかを、概観したいと思っています。
といっても、15000文字のなかで(もともとは9000文字以内のハズだった(笑))それをカバーするのは不可能なので、「為替・決済システム」の歴史を追うことで、それに替えました。
・メディチ家による国際為替決済システムとバチカン公金の取扱い
・トーマス・クックとアメックスのトラベラーズ・チェックによる個人国際為替
・バンカメのVISAカードがつくった社会インフラ
・インターネットと暗号とeBay。ペイパルのマイクロペイメントが見知らぬ者同士をつなげた
・スクエア革命とはリアル決済の変革。売り手を拡大し、買い手の経験を変える
これらは一企業の戦略に留まらない、大きなビジネスモデルの革新(イノベーション)たちなのです。
日経朝刊2014.03.10
ぜひ、お読みください。
2014年02月27日
3/4発刊『経営革命大全 新装版』の解説文書きました!
ジャン!
今日、日経新聞から見本が届きました!
2002年に発刊(原著は1998年)された文庫版『経営革命大全』の新装版です。
写真の左手前が新装版デス。
厚みは24mm、688頁のヘヴィー級。
ご依頼があり、私は新装版にあたっての、解説文を書きました。
P599~605の数頁なのですが、結構大変でした。
この本、数えてみると、40万文字くらいあり、なんと『経営戦略全史』の倍以上…
原稿を「2週間で書いて」と言われて「ムリ」と答えました(笑)
でもなんとか書いて、納めたのですが、その冒頭の一文がオビの文句となりました。
三谷宏治氏絶賛!「この本を先に読んでいたら、私は『経営戦略全史』を書いていなかったかも」
う~ん、恥ずかしい。
・私が絶賛しているから、ってねえ
・読んでなかったことがバレるじゃない
中身はとてもしっかりしています。
ところどころ著者(ボイエット夫妻)の「OUR VIEW」があって楽しいです。
たとえば、「リーダーシップ」の項。
1 「リーダーに不可欠な特質」をフランクリン・コビーらグル(guru 権威者)にさんざん語らせておいて
2 最後にドラッカーの「共通の特質などない」という意見を紹介し
3 直後のOUR VIEWでは、あっさり「ドラッカーの意見が現実に近い」と言い切っています(笑)
店頭には3/5頃から並ぶそうです。
経営戦略論だけでなく、組織人事論、リーダーシップ論など幅広く「経営」をカバーしてみたい方にお勧めです。
こちらで、どうぞ。
2014年01月19日
1/20 NHKあさイチで「脱ワンワード週間」が紹介されます
いよいよ明日!NHKあさイチで「脱ワンワード週間」が紹介されます。
番組内では、あるご家庭にお邪魔して…。
NHKホームページをみたらその様子がちらりと。
楽しみです。
放送は9時前後になるでしょう(多分)。
そして、「脱ワンワード週間」の詳細は、『親と子の「伝える技術」』で!
放送終了後、まとめがこちらにアップされるのではないかな~。
2013年12月18日
2013年12月10日
2013年12月08日
『経営戦略全史』がダイヤモンドHBR読者が選ぶベスト経営書2013 第1位に!
12月5日夜、表参道某所でダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)の読者会が開かれました。
50余名のHBR読者が集まったパーティでは、「HBR読者が選ぶベスト経営書2013」の投票結果が次々と発表されていきます。
10位 『コトラー8つの成長戦略』フィリップ・コトラーほか
9位 『LEAN IN』シェリル・サンドバーグ
8位 『イノベーション・オブ・ライフ』クレイトン・クリステンセン
7位 『経営は何をすべきか』ゲイリー・ハメル
6位 『戦略読書日記』楠木建
5位 『不格好経営』南場智子
4位 『MAKERS』クリス・アンダーソン
メジャーどころが次々読み上げられ、会場は徐々に盛り上がります。でもざわざわ。
「自分が投票したアレはどうなったんだ!?」
発表は続きます
3位 『世界の経営学者はいま何を考えているのか』入山章栄
2位 『採用基準』伊賀泰代
そして!
1位 『経営戦略全史』三谷宏治
ここで、会場の外でしばし待機してた、われわれ著者陣が登場します。
伊賀泰代さん、入山章栄さん、私の3人です。
まずは表彰式が行われ、読者代表から花束と、なんとこんなサプライズギフトが!
特大の『経営戦略全史』いちごケーキです。これほど見事に再現できるんですねえ・・・
とても美味しかったです。
その後、会場ではジャンケン大会や懇親が続き、最後には記念撮影も。
そして深夜12時を過ぎ、12月6日になったところで、ダイヤモンドHBRのHPで正式に発表されました。(12月10日発行の『ダイヤモンドHBR』1月号でも!)
1位は、歴史書のような経営戦略書
12月10日以降、全国の主要書店では、ダイヤモンド社 及びディスカヴァー・トゥエンティワンによるフェアが行われます。
もしかしたら、こんな特装オビや
こんなパネルが、
みなさんの近くにも見つかるかも!
翌日、ディスカヴァーから大きな荷物が届きました。
開けてみると何と
『経営戦略全史』韓国語版です!メガブックス社による見本刷りが送られてきました。
なかなか格好良いぞ!
専門家によれば、書題の意味は『経営戦略 論戦史』だとか。
ところどころ、「東亜ビジネスレビュー」編集局長のキム・ナングックさんによる解説文「Practitioner’s Tips」が入っていて親切です。
でもとにかくこの本、大きくて重いのです!
・ページ数:460頁 対 432頁 で6%増
・大きさ:厚みは同じで縦10%、横18%大
・重さ:951gと512gでなんと86%増!!!
『経営戦略全史』は軽い紙を使っていて、持ちやすくしているとは聞いていましたが、普通の紙だと1kg近くになるんですねえ。ビックリでした。
ずっしりの重厚感です。
2800ウォン。
さて、新年1月には東京・大阪・名古屋で「HBR読者が選ぶベスト経営書2013」の受賞記念講演が行われます。日程や場所は、またHP上でお知らせしますので、ご興味ある方は是非。
今年2013年を締めくくる、大きなプレゼントでした。
2013年11月11日
『伝わる書き方』(PHP)刊行です!11/08/2013
先週末に、PHPから『伝わる書き方』が刊行されました。
その名の通り、相手に伝わる文章を書くための本です。
伝わる文章のヒミツは「よいプレゼンテーションのトークのように書く」ことです。
そしてそれは、
・短く書く
・構造化する
・波をつくる
こと。
この本のウリはでも、そのやり方というより「事例の面白さ」にあるかもしれません。
・小林秀雄の随筆「鐔」
・日本国憲法前文
・いろは歌
・マイケル・ポーターの業界分析
・各国の少子化対策
などなど。
書店でも列び始めました。
丸善オアゾ店と八重洲ブックセンター
いずれも三省堂有楽町店
そして三省堂名古屋高島屋店。
Amazonでも500位前後と、よい滑り出し。
さてさて、ここから。
上手く波に乗って、多くのみなさんに読んでいただけますように。
上手く波に乗って、多くのみなさんに読んでいただけますように。
2013年11月07日
『伝わる書き方』今週末(11/8)発刊です!
Amazonにもやっと書影が上がりました。
今週末、いよいよ「書き方」の本、出ます!
決める力、発想力、整理術、ハカる力、伝える技術、と進んできましたが、今回は「書き方」がテーマです。
結局私が辿り着いたのは「プレゼンテーションでしゃべるように書く」という方法でした。
聴くことは読むことより難しいから、わかりやすくしないと伝わりません。だから伝わるために、
聴くことは読むことより難しいから、わかりやすくしないと伝わりません。だから伝わるために、
・短くする
・構造化する
・波をつくる
を頑張るのです。の3つをしっかりやることが、伝わるビジネス文章のすべてです。
この本では、小林秀雄、マイケル・ポーター、日本国憲法、いろは歌、などなどの面白い事例が満載です。(ここに時間がかかった……)
また、私のダメダメ物語も少し(笑)
ぜひ、ご一読ください。
2013年10月22日
『経営戦略全史』オーディオ版が10/22 18:00より配信開始!
10月22日『経営戦略全史』のオーディオブック版が配信されました。
プロのナレーターさんによる、「音で学べる電子書籍」です。
耳だけしか使わないのでちょっとしたスキマ時間を学習時間へと変えることができます。
よろしければ、『経営戦略全史』をオーディオブックでもお試しください。
また、このオーディオ版には、私が録音した特別メッセージも付いています~。
オーディオブック配信サービスFeBeにて試聴・ダウンロード可能です。
★『経営戦略全史』ダウンロードはこちらから
※ページは10月22日(火)の18時よりオープンいたします