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2009年06月12日

THE21 「灼熱」 2:ダイジなこと

『重要思考』は、まず「大事なコト」から。

そこから「大戦略」「効用・中目標」「手段・ツール」へと進む。
なのでまずは「大事なコト」が定まらないと、話にならない。

一般には、前提や価値観、を大事なコトと置いている。
会社ならビジョンや経営目標、といったものだろう。

ここでは、前提として、さまざまな状況が設定されているが、サバイバルという意味で、特に重要なのは、時間とスキルセット、だ。
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状況を整理すると、
・場所はタクラマカン砂漠
・日中50℃+砂嵐、夜はマイナス10℃の可能性
・最寄りのオアシスは南南東に40km
・その先は不明

だが、時間に関して考えるとまず
・旅程はあと20日分残っている
・遭難は外部に知られていない
ことから、外部からの救援は20日以上掛かる可能性が高い。

そして、超短期で言えば
・もうすぐ夜

ということでもある。
これは大戦略がどうあろうと、外部の救援に接するまでに、この酷暑酷寒を20日以上生き延びなくてはならないことを示している。

では、この状況下で、大戦略にはどういったものがあるだろうか?
いや、その前にもう一つの前提であるスキルセットは?そして、価値観は?

これらはまた明日。

2009年06月11日

新コンテンツ「ほめる」と「灼熱」一挙公開

決める力』の根幹をなす『重要思考』
その研修材料として、よく使っているのが本でも紹介した「サバイバル」ケースだ。

普段は「墜落」「沈没」の2つを使っているが、その応用編として作ったのが、「灼熱」である。
・砂漠で遭難。燃える車の中から取り出しうる12アイテム。どう優先順位をつける!?

この問題については、これから数日を掛けて解説をして行く。

もう一つ公開は「ほめる」
重要思考の応用練習として、田園調布雙葉高校での「情報論」授業用に作ったものだ。

まずはモノ(iPod)をほめる。そして、次はヒトを、ほめる。
ほめる極意、そして、主張(ケンカでもディベートでもない)の極意、を体得するためのワークショップ教材だ。

ブログと合わせて、ご覧あれ。

2009年06月11日

THE21 「灼熱」 1:問題の解説

さて今日から「灼熱」の解説を始めよう。
desertTHE21.jpg(『THE21』 2009年7月号より)

そもそもこういった「サバイバル」ケースは、「コンセンサスゲーム」として開発されたものだ。
合意形成の難しさと方法、そして価値を学ぶためのものだ。

なので、通常は
・個人でやり、答え(優先順位)を出し
・チームでディスカッションして答えを出し
・正解と比較することで、個人得点、チーム得点を算出する
という手順を取る。

面白いことにほとんどの場合、チーム得点の平均は、個人得点の平均を大きく上回る。
これが、コンセンサスの価値、だ。三人寄れば文殊の智慧、は正しい。

同時に、コンセンサス形成の難しさも、参加者は体験することになる。
大抵のチームが制限時間内に議論をまとめられない。
議論が散漫で結局、声の大きいヒトの意見に合わせただけ。
そんな現象があちこちで起こる。

研修ではそこから、合意形成のテクニックという話に進んでいくのだが、実はそれでは足りない。
意思決定のフレームワークが揃っていなければ、そもそも議論にならないからだ。
正しい議論なき合意は、空しい。

そのフレームワークこそが「重要思考」、 ダイジなことから、大戦略、効用・中目標、手段・ツール、の3段階で考えるというものなのだ。

さあ、この「灼熱」を、重要思考で解いてみよう。
ダイジなことは何だろう、大戦略は?アイテムたちは何の役に立つのだろう(効用)?そして、大戦略実現のために、どの効用を上位とするのか!

皆さんの解答案は「お問い合わせ」へ!

2009年06月10日

本日発売THE21 2009年7月号

本日発売『THE21』に記事掲載。そこでの新作問題『サバイバル:灼熱』の考え方は明日から掲載予定。

解答例は当サイトの「問い合わせ」まで!

2009年06月07日

国宝 阿修羅展 最終日(その四)上野の森

最後に取り敢えず、各美術館等の混雑状況を。

我々が平成館を出たのが1010くらい。平成館の前には文字通り長蛇の列。
どんどん入場するが、どんどん人が列に加わる。
入場までの待ち時間は80分程度と表示される。
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帰り際、別の行列を見つける。科学館の恐竜展だ。
子ども連れ、しかも結構小さい子が多い。実は親が好きなのか?
列は日陰を使ってうまく伸ばされていた。待ち時間はそれほどでもなく、15分程度。

科学館正面左のナガスクジラ実物大像が嬉しい。
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驚いたのは国立西洋美術館。
早朝の時点では、阿修羅展より少なかった。7時ちょっと過ぎでせいぜい7名。(そのころ阿修羅展は数十名)
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ところが1040頃にはなんと、120分待ち!!
フェルメール、恐るべし。
こちらも、もうすぐ会期が終了する。6/14(日)まで。

芸術が爆発する上野の森を後にし、外苑前で(朝食兼)ランチ。

さて、これからレポートFeedbackと、月曜の講義の準備、と。

2009年06月07日

国宝 阿修羅展 最終日(その三)八部衆

第一会場に入り直し、改めて八部衆に対面する。(阿修羅も本来その一つ)

まだ人はそれほどでもない。八部衆を眺める人半分、奥の阿修羅へと急ぐ人半分だ。

今回はもともと全てが来ていたのだが、4月中に戻られたので見られたのは
迦楼羅(かるら)・・・ご存じガルーダ。インド神話での神の乗り物、聖なる鳥
沙羯羅(さから)・・・幼児のようなお顔。でもヘビが頭から肩に巻き付いている
乾闥婆(けんだつば)・・・獅子のかぶり物。音楽神。ほとんど閉じた目を手元に向ける
緊那羅(きんなら)・・・額に第三の目。角有り。
五部浄(ごぶじょう)・・・胸より上のみ。象のかぶり物

なんだかかぶり物をさりげなく着こなしていたり、見ているだけで楽しい。
ただ一様に表情は引き締まり、眉を寄せる具合は阿修羅に通ずる。

今回の発見の一つは、五部浄の黒い顔が、実は元々青だったということ。
見てみたい!
天部を代表する五部浄が、象を被り、顔を青に染め、目も異国の色をたたえる。
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う~っむ。

それにしても各半神たちの甲冑姿のなんとあでやかなことか。
前垂れ一つ見ても、そのカーブは現代最先端のデザインと拮抗する。
なぜ、1300年前にそういう「モダン」が存在したのか・・・

さてさて、第二会場にも回ったが、こちらの四天王像も素晴らしい。
特に持国天と増長天。体の動きが実にダイナミック。

衣装の模様も残り、元来の艶やかさを感じさせる大きな四天王像たちだ。

そろそろ混み始めてきた。
土産物コーナーでT-shirtやお香を購入して、平成館を後にする。

本館にも回ってこちらも1階のみぐるっと一周し、地下でgoods調達。

さて、次の(その四)では・・・上野の森の芸術的爆発状況を!

2009年06月07日

国宝 阿修羅展 最終日(その二)阿修羅・アスラ・非存在

開館時間(本来は930)が近づくにつれ、来館者は門から中に入り、本館の左を通り過ぎ、会場である平成館へと導かれる。

平成館の前で列は左右に蛇行し、ここでまたしばらく待つ。

さて、いよいよ開場。最終日の始まりだ。
昨日は2万7千人余を集めたとか。70日間の会期中の平均が1万人強だから、凄いものだ。

玄関を過ぎ、吹き抜け階段を上り、右が第一会場。
入り口近くには八部衆や十大弟子が展示されている。

でもまずはその奥の阿修羅像へと向かおう。
最初の数名だけの特権を駆使せずしてどうする。

薄暗い特別会場の中央 壇上に阿修羅は置かれていた。
ほのかに輝くその姿は、三面六臂の異形を全く感じさせない完全性を顕わす。

折角なので360°、ぐるっと回ってみる。
本来後ろから見られることを意識せぬはずの仏像だが、これほどとは。
文字通り、さまざまな表情を見せつけ、かつ、一つだ。

でもやはり正面から、ガラス越しでない姿を。

しばらく見つめる。
六本の腕の在り方、が実にフシギだ。
あり得ないほどに細く、でもその故に、肩に納まる。
あり得ないほどに棒状で、でもその故に、超越的だ。

正面で祈り、空間を拡げ、そして天を支える六本の腕。
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阿修羅は本来、仏教外の神だが、その語源は
アスラ=ア・スラ=非・存在
だともいう。インドの最高神、帝釈天と永遠の戦いを続けた阿修羅。

私は『百億の昼と千億の夜』を読んで以来の大ファンである。
萩尾望都さんのマンガで読み、そして光瀬龍さんの原作を読んだ。衝撃だった・・・
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人が増えてきた。
早めに切り上げて、阿修羅とは、別れを告げる。また、興福寺で。

次は、改めて八部衆だ。
続きは(その三)へ

2009年06月07日

国宝 阿修羅展 最終日(その一)

今日が最終日。

朝5時50分に家を出て、バイクで上野へ。

ガラガラの道をとばして30分で到着。

駐車場も上手く見つけて駅前公園口に駐める。

ラジオ体操に励む皆さん(数百名)を横目に上野公園を横断し、6時25分には東京国立博物館の正面に。

我々は7人目。
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それから2時間。我らの後ろには既に700人。
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職員の方々が手際よく来館者を捌き、列を伸ばしていく。列を待つ間使うためだけのための日傘も、百本以上が用意されている。
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開館まであと1時間。かな

何人並ぶか楽しみだ
(-_-)

いやまあそれより、ガラス越しでない阿修羅像、八部衆像、本当に楽しみ。
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だんだん盛り上がってきた。
現在、8時30分。

その二)では、いよいよ阿修羅と久々の再会!

2009年06月04日

『正しく決める力』初版の誤字修正

今のところ、初版において次の2カ所が判明している。

・P66:(誤)PC-8001向け→(正)PC-8801向け

・P144:(誤)たこてる→(正)たごあきら

特に後者は、なぜこうなったのか全くの謎である。原稿ではもちろん(正)の通りなのだが・・・
多湖輝さん、すみません。

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知人より追加指摘あり・・・

・P28:旭山市外からの→旭川市外からの

まだまだあるかぁ

2009年06月04日

6~7月の活動予定

現時点で決まっている講演・授業等の予定は以下の通り。
・6/10 The21発売(記事あり)
・6/20 東京明新会総会での記念講演
・6/24 田園調布雙葉高校 3年情報論 第3回「発想力」
・6/24 Good Find(スローガン)で大学生向け講義
・6/27 KIT虎ノ門大学院 説明会
・7/11 SMBCコンサルティング「新・発想法トレーニング
・7/25 COBSセミナー@KIT虎ノ門大学院

忙しいような、そうでもないような。
5月の山は、とりあえず乗り切った感じ。これからは、秋に向けての仕込みの時期。