2009年06月07日

国宝 阿修羅展 最終日(その二)阿修羅・アスラ・非存在

開館時間(本来は930)が近づくにつれ、来館者は門から中に入り、本館の左を通り過ぎ、会場である平成館へと導かれる。

平成館の前で列は左右に蛇行し、ここでまたしばらく待つ。

さて、いよいよ開場。最終日の始まりだ。
昨日は2万7千人余を集めたとか。70日間の会期中の平均が1万人強だから、凄いものだ。

玄関を過ぎ、吹き抜け階段を上り、右が第一会場。
入り口近くには八部衆や十大弟子が展示されている。

でもまずはその奥の阿修羅像へと向かおう。
最初の数名だけの特権を駆使せずしてどうする。

薄暗い特別会場の中央 壇上に阿修羅は置かれていた。
ほのかに輝くその姿は、三面六臂の異形を全く感じさせない完全性を顕わす。

折角なので360°、ぐるっと回ってみる。
本来後ろから見られることを意識せぬはずの仏像だが、これほどとは。
文字通り、さまざまな表情を見せつけ、かつ、一つだ。

でもやはり正面から、ガラス越しでない姿を。

しばらく見つめる。
六本の腕の在り方、が実にフシギだ。
あり得ないほどに細く、でもその故に、肩に納まる。
あり得ないほどに棒状で、でもその故に、超越的だ。

正面で祈り、空間を拡げ、そして天を支える六本の腕。
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阿修羅は本来、仏教外の神だが、その語源は
アスラ=ア・スラ=非・存在
だともいう。インドの最高神、帝釈天と永遠の戦いを続けた阿修羅。

私は『百億の昼と千億の夜』を読んで以来の大ファンである。
萩尾望都さんのマンガで読み、そして光瀬龍さんの原作を読んだ。衝撃だった・・・
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人が増えてきた。
早めに切り上げて、阿修羅とは、別れを告げる。また、興福寺で。

次は、改めて八部衆だ。
続きは(その三)へ