2024年01月06日

Haneda Ruwway Collision 2024:考察❶

2024年1月2日に起きた羽田空港での大事故には、いろいろな偶然と必然が絡み合っている。それらを考察していくシリーズのその❶。

JAL516便(以降、JAL機)の乗客・乗員全員の生還に必須だったことのひとつは、2機が互いにほぼど真ん中でぶつかったことじゃないかな。


私は昔から航空機事故に興味があって、本だと柳田邦男の『マッハの恐怖』(1971)に始まって、TV番組だとナショナルジオグラフィックの「メーデー!:航空機事故の真実と真相」(シーズン21x10話)や、YouTubeだと機場空論(We can see air)を見ている。

今回のようなrunway collisionの中でも「大型機が小型機などに突っ込む」タイプの事故もいくつかあり、ほとんどで大型機側を含む大惨事となっている。大型機の進行方向が逸れて空港設備に高速で突っ込んだり、機体が斜めになることで横転につながり胴体がバラバラになるからだ。これでは生きていられない。

事故後のテレビ画像で、すぐ不思議に思ったのは「機首のこのへこみはなんなのだろう?」ということだった。
何かにぶつかって大爆発を起こした映像は衝撃的だった。でもその爆発はどうもぶつかられた側のもので、JAL機自体は爆発は起こしていない。何がどうぶつかれば、こんなところに、でも致命的でない破損が起こるのか?

私の思い込みは、「JAL機側が視認できなかったというのだから、海保機(海上保安庁のMA722機)がJAL機の着陸直前に滑走路に進入したのだろう」というものだった。だからこんなピンポイントの衝突痕のイメージが湧かなかった。でも実際には海保機は滑走路上に40秒あまり停止していたとのこと。そこに後ろからJAL機が追突したわけだ。
そう、このへこみはおそらく、海保機の尾翼によってついたもの。重さが10倍あるJAL機があっさりそれを機首でへし折り、海保機の胴体に時速200㎞でのしかかっていった訳だ。

でも、まさに不幸中の幸いであったのは、この衝突痕の場所。ほぼ中央についている。これが1メートルでも左右にずれていれば、JAL機の胴体の回転につながったり、さらにズレていれば垂直尾翼がJAL機の燃料いっぱいの翼を分断してJAL機の即座の爆発を引き起こしていただろう。

これはでも2人の機長(操縦者)の起こした必然でもあっただろう。滑走路の真ん中に停止して離陸許可を待つ機長と、そして滑走路の真ん中に限りなく正確に着陸した機長の。

合掌