2011年03月11日

三女の合唱コン:成長、ということ

これは2010年10月の、お話。 

中1の三女は、音楽好き。 
ブラバンに入り、トロンボーンと格闘し、家でも鼻歌を欠かさない。 

その彼女がクラス対抗合唱コンクールの指揮者になった。 
誰もやらないなら私がやる、的な立候補で決まったらしい。 

各クラスが自由曲と課題曲を歌う。 
彼女は最初の自由曲の指揮を任された。 


下馬評では三女のクラスが圧勝。 
クラス仲も良く、3クラス中、一番まじめに練習に取り組んでいるのだから当然だ。 


ところが当日、他の2クラスが驚異的な成長の成果を見せた。 
一つにまとまったときの中学生はすごい。 

やばい、このままだと負けるかも知れない! 

2クラスの合唱を聴きながら、最後に歌う三女のクラスは危機感を高めていった。 
そして相談を始める。どうしよう・・・。 


ある子が言う。 
「いまさら、何かを変えることはできない」 
「だからみんなで指揮者をしっかり見よう!」
 


順番が来て、壇上に上がり、指揮台に登り、指揮棒をあげる。 
三女の緊張はピークに達する。 
指揮棒が振り下ろされ、ピアノが鳴り始める。そして・・・。

 

合唱コンが終わった後、家で三女は言っていた。 
「みんなが、私の方を見てくれてた」 
「全員だよ!」 

彼女自身、指揮をしながら、全員の顔をしっかり見ていた、ということだ。 
確かにちょっと振り急いでテンポが速くなったりしていたけれど、声も伴奏もぴったり合っていた。 

素晴らしかったね。 


以下、三女の合唱コン感想文より。 
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みんながしっかり指揮者を見てくれて、私はとても安心して、普段通り指揮を振ることができた。 
先にB、C組が練習の時よりとてもすごい合唱をしていたことを忘れたかのようにA組は自分たちの歌を歌った。 

結果、A組は優勝した。自由曲「大切なもの」のイントロが流れたとき、私は自然に涙が出た。自分でも驚いた。「優勝しても泣きはしないだろう」と心の中で思ってたから。でも、優勝を実感したその瞬間、素直に感動した。 
でも、私は優勝した!!ということよりも、A組で練習して努力できたことが嬉しかった。 

一人一人が一生けん命になって、一人一人が助け合ったこと。これは私の一生の思い出になると思う。そして小学生の頃の私にはわからなかった楽しさがわかった。