SF国防ラブコメ by 有川浩
有川浩さんの本を最初に読んだのは、『図書館戦争』だっただろうか。
図書館員が武装して、書籍を守るために他の権力機関と命がけで戦う、という奇想天外な設定に驚いた。
しかも、もの凄い純粋な青春ラブストーリーに、やられた(笑)
すぐ『図書館内乱』も読んだ。
しばらくして、ありかわ ひろし、でなく、ひろ =女性と知って、ちょっと納得し(女性の心理描写の上手さ)、作風が少し違う『レインツリーの国』で衝撃を受けた。
なんせ主人公のひとりは、しゃべる案山子である。
完全なSFだ。(これはなぜか長女が貸してくれた)
そして『空の中』
これが自衛隊三部作、いや、国防ラブコメ(著者曰く)のひとつで、ものスゴく面白かった。
地球の成層圏に潜む、もうひとつの知性体…
それに激突死した自衛隊員と間一髪免れた、女性パイロット。
SFっていいなあ…
でもなぜかそのまま他の作品に進まず、半年経過。
ところが先週、二子玉川駅のBook1stで買った『クジラの彼』で火がついた。
これは、自衛隊三部作を下敷きにした、短編集。
本編を知らずにどうする!ということで早速、処女作『塩の街』と、『海の底』を買った。
で、昨日一日で読み切った。
アフターバーナー添加状態である。
『塩の街』では宇宙から飛来した塩の結晶により、人が塩化し、『海の底』では海底からわき上がったザリガニ軍団によって横須賀の街が蹂躙される。
人の生と死について、かなりシビアなお話しなのだが、楽しめる部分も多く、かつ、徹底的なラブストーリーでもあり、なので「SF国防ラブコメ」なのである。
あー、楽しかった。
でもあとは文庫化を待つかなあ…
最近本棚に本があふれてるしなあ…