三女の涙と34年ぶりの納得
学校公開ウイークで、中一の三女が苦手にしている数学の授業参観を見てきてもらった。
正負の数字の、加算と減算についての授業だったらしい。
そこで、彼女一人が最後まで課題が解けずにいた。
そして授業後、一人 泣いていた、と。
少人数クラスでもあり、先生たちの教え方やフォローの仕方自体に問題があるわけでは無い。普通の教え方をし、個別に様子も見てくれる。
帰ってから本人に、何がうまくできなかったのか聞いたところ、根本的なところの納得がいっていなかったようだった。
例えば、
・5-(-3)だと、-と-を両方取って+にしろ、と言う
・じゃあ、5+(+3)だと、+と+を両方取って、どうするのか。なぜ+なのか?
・(-3)+3だと、先頭だから括弧は取って良いという。括弧って取ったり付けたり、なんなんだ?
いちいちそういうことがよく分かんなくて、でも言われたとおりにやろうとして、考え込み…
でもその話を聞いて、初めて気がついた。
演算子である「+」「-」と、数字の正負を表す記号である「+」「-」が、全く同じであることのおかしさを。
社会に出ると、負の符号が△であったりもする。
なのになぜ、一般の数学は、数学らしからぬ、こんな混同を許したのだろう。
せめて演算子のときはタス、ヒクとのみ読ませるとかなかったもんかねぇ。
以下、三女向けに考えた、説明。
演算子としての「+」はタス君。この子は正の向きに歩いて行く。
何歩歩くかは、その後ろの数字が決める。正だったらそのまま、負だったら後ろ向きに。
だから
・ +3だったら、正の方向に3歩。
・ +(-3)だったら、正の方を向きながらも、後ろに3歩!
演算子としての「-」はヒク君。この子は負の向きに歩いて行く。
・ -3だったら、負の向きに3歩。
・ -(-3)だったら、負の向きを向きながら、後ろ、つまり正の方へ3歩。
よって、
+(-3)と-3は同じ。+3と-(-3)は同じ。
明日、これで伝えてみよう。
こんなことを考えていると、きっとただの計算ドリルはスゴく遅くなる。
でもね、それはそれで素晴らしい。
演算子としての+-と、数字の正負号である+-の混同に違和感を覚えるなんて、なんて素晴らしいこと。
そのままでもいい。負けるな、ガンバレ!
そして、私自身、中学1年のときの違和感が、今やっと解けた。
ありがとう。