終末のフール
伊坂幸太郎さんの作品は、これまで「重力ピエロ」「魔王」「オーデュポンの祈り」と読んでいる。
「魔王」は評判通り面白かったがあまりに中途半端な終わり方に思え、しばらく間が空いたのだが、「オーデュポンの祈り」には驚かされた。
こんな物語が、あるのだなと。(これがデビュー作)
数週間前、店頭で「終末のフール」が何面も平積みされていて手に取った。
裏カバーには、8年後小惑星が衝突し地球が壊滅すると分かっている中での、ある街での日常・非日常を描く、とある。
ふーっむ。面白そう。
ということで買って帰り、読んだ。
レインツリーの国、のあとだけれど。
終末のフール、太陽のシール、籠城のビール、冬眠のガール、鋼鉄のウール、天体のヨール、演劇のオール、深海のポール、と続く短編集、オムニバスだ。
主人公は変わるが、街と登場人物は重なり、一つの世界を描いていく。
これまた、面白い手法・状況設定での、刺激的なお話し。
あと数年で地球が壊滅的打撃を受けると分かっていて、子をなすのか?
等々のテーマが、圧倒的非日常の中での日常的テーマとして「人の真実」を、照らし出す。
他のも読んでみようかなあ。