2008年07月09日

色鉛筆:解答編①

大体みんなが書いたとおり。

A. もともとは・・・

・鉛筆の起源は16世紀末、黒鉛を切り出した四角い棒

・黒鉛が不足したので粘土を混ぜて焼いて堅くして木軸で覆った

・最初は芯が四角で木軸は八角

・19世紀に芯が丸くなり・・・

・因みに鉛筆の芯は焼き固めて合って堅く、色鉛筆は乾燥だけなので柔らかい

さて本題。

B. 使うヒトにとって

・六角:筆記用には断面は3の倍数が指にフィットする。故に三角か六角がよい

・丸:描画用には少しずつ芯の角度を変えられる丸がよい。描画時には書くより塗る時間がほとんど(6~7割)だから

C:作るヒトにとって

・六角より丸の方が木くずが多いのは事実だが、標準の規格鉛筆を作る場合には、六角も丸も、原料の板は同じサイズ。つまり、コストは同じ

D:使うヒトにとって(続)

・六角:転がりにくく、机から落ちにくい(から芯が折れない)

・丸:転がりやすいが、丸芯からの距離が均等で、芯が折れにくい

さて、ここで問題は、芯の折れやすさの話。

現代では色鉛筆の芯は十分丈夫との話もあるが(三菱鉛筆)、やっぱり描画用に柔らかく作ってあるのだから柔らかく折れやすい(トンボ鉛筆)との話もある。

ここでは、柔らかく折れやすい、を前提に話を進める。

問題は、

「なんで丸軸の方が折れにくいの?」

ということ。

・丸だと衝撃が分散される

とか

・丸だと芯からの距離が均等で保護になる

とか

あるけれど、何がホントなんだろう。

その前に、そもそも何で、芯は折れるのだろう。

1. 落下・衝突の衝撃

2. たわみやしなりによる応力

3. ひねりによる歪力

が考えられる。

2.だと面白いことが一つ。それが「芯の太さ」だ。

鉛筆の芯はだいたい直径2mm。色鉛筆は3mmで、太いものだと5mm~6mm。

実は「細いモノは折れにくく、太いモノは折れやすい」のだ。

正確に言うと、色鉛筆の芯が太いのは、弱いからこそ強くするため、ではある。太い方が芯先だけを見れば、折れにくい。

でも、鉛筆全体をしならせるときには、細い芯の方が折れにくい。

細いパスタと太いパスタで実験してみましょう~

同じだけの角度を曲げるとき、どちらが折れやすいか?

応力はだいたいその太さに比例するので、曲げたときには色鉛筆の芯の方が、1.5倍以上の力を受けることになる。

1. だとそれほど簡単じゃない。

落下の衝撃を、吸収するってなんだろう?

丸だとそんなにいいのか?

この続きはまた明日。