芦花小学校サマーワークショップ2012:失敗と成功のサイクルをつくる
世田谷区立芦花小学校は、蘆花公園の近くにある。
あの徳冨蘆花のロカである。
(こんなひまわり畑もある)
蘆花の死後、私財の管理を任された夫人が、最後に住まいとお庭を東京都に寄贈したもので、公園内には夫妻の小さなお墓が2つ並び、そのいずれにも兄である徳富蘇峰が文を寄せている。
芦花小学校は世田谷区立小学校64校でも珍しく、同じ敷地内に八幡山保育園、芦花中学校があり、幼小中一体の建物になっている。
数年かけた改築工事が一段落付き(まだプレハブ校舎の撤去が残っているが)、4月から子どもたちはピカピカの新校舎に通っている。
さまざまな特色ある活動をされていて、ボランティア組織であるアシカ隊(芦花だから)が運営するサマーワークショップは、その1つである。
今年は70以上のコマが設定され、算数教室からお菓子作り、ダチョウの卵での料理教室まで、子どもたちのお楽しみがいっぱいなのである。
講師はすべて地域ボランティア(か教員)で、2年半前からその地域運営委員としてお手伝いをしている縁があり、私も昨年から講師の1人を務めている。
その名も「科学教室 ルークの冒険」
イロのフシギ、円柱を探せ、紙コップのヒミツ、そして最後の大実験、と続く90分ノンストップ、休憩なしの発想力授業だ。
低学年向けのワークショップが少ないということで、1~3年生限定としているが、昨年同様、定員いっぱい40人×2回が集まった。
主体は1年生で、3年生が1/3程度。3年生は各班にばらけさせて、班長さんをやってもらう。
授業内容は昨年とほとんど同じなのだが、少しだけ、変えてみた。
プログラムエウレカで開発した「イロのフシギをつくる」演習だ。
カンガエル、シラベル、ツクル、をやってみたかったからなのだが、今回も面白い発見があった。
本来、白黒のQRコードみたいな図形に、いろいろな色を塗って揺れ方を試すのだが、なんと連絡の手違いから、みな色えんぴつやクレヨンを、もってきていない!
ダメかと思ったら、そこはさすがの小学生。「赤えんぴつはもってる~」
じゃあ、赤えんぴつで、となったのだが、これがまた発見の元になった。
ささっと手早く塗る子、しつこくジワジワ塗る子。
手早く塗ると、色が薄いのであんまり揺れないのだ。ところが、濃く塗ると、同じ赤でも凄く揺れる。
色の濃さで、こんなに違うんだねえ~。
「濃く塗ったひとは、周りのみんなに見せてあげて」
「色が薄かったひとは、もう1回、濃く塗ってみよう!」
少し時間がかかった分、もう1つの「イロのフシギをつくる」は出来なかったけれど、お陰で別のサイクルを回せた。
それは、「失敗→成功」のサイクルである。試行と思考(ツクルとカンガエル)の中で、是非もう1つ回したいサイクルだ。
まずはインストラクションなしで、やってみる。で、大部分の子は失敗する。
なぜか考えて・調べて、もう1回やっている。そして、成功する。
しかも、こういうときに、始めからしっかりじっくり塗る子は、いわゆるふつうの「成績優秀タイプ」ではない。その子を必ず見つけて、誉めてあげることもダイジである。
アシスタントの沖田クンは、2年前、6年生として私の発想力授業を受けている。
去年からお手伝いをしてくれていて、受付に、子どもたちの誘導に、八面六臂の活躍である。
最後の大実験、でも、大風船にふっとばされる子どもたちを、しっかり支えてくれた。
修了後に見学された6年生の担任の先生と感想戦。
「1~2分の短いサイクルで回すリズム感が勉強になった」と言っていただいた。
子どもたちのアンケート(後半)は2人だけ3「ふつう」、あとは全員5「とってもたのしかった」、だった。5が95%、かな?
さて、また来年も、がんばろう~