2010年06月02日

宇宙人は、いるか?

わが銀河系だけでも星(恒星)は2000億個ある。宇宙全体だとそのまた数千万倍。
これだけあるならきっと宇宙人はいるはずだ。
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まず問題は、現代物理学の壁である「時空」を超えることが出来るかどうか、だ。
時間旅行や、ヤマトのようにどかんとワープ(空間跳躍)出来るかということだ。
もしこれが技術的に可能だとしよう。
そうすると全宇宙の過去や未来(巾数百億年)のどこかでその技術は必ず開発され、運用される。
結果、その文明はこの宇宙のあらゆる時空のあらゆる種族に関与できることになる。
であれば、既に地球のわれわれになんの接触もないのはおかしい。
理性的に見守っている、という説もあるが、そんな統率が全宇宙的にとれるとは思えない。
つまり、やはり「時空の壁」は超えられないと言うことなのだろう。
そうなると、光のスピードを上限として旅をせねばならないわけだが、それでは恒星間旅行、特に銀河間旅行は難しい。
銀河系は直径10万光年くらいの範囲に2000億個くらいの恒星が集まっている。
恒星間の平均距離は10光年くらいに過ぎない。
(今の人間の技術ではこれを超えるのに何万年も掛かるが)
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ところが銀河間は数百万光年は離れているので、光のスピード(これが最速)でも数百万年掛かる。
そんな長期間では、そもそもそれを支える文明が保たない可能性が高い。
(ヒトの文明はまだ1万年、宇宙進出してからだと50年くらい)
ということは事実上、互いに接触可能なのは各銀河の中だけということだ。
そこで、知的生命がどれくらいの確率で出現するのか、が次の問題である。
昔はそこそこ高確率で出現するのではと、思われていたが、ここ最近、結構奇跡に近いのではないかとも思われている。
1. 異常な高酸素濃度大気の存在
2. 非常に適切な太陽との距離
3. 異常に巨大な衛星の存在
4. 木星型惑星が2個だけあること
もちろん、観測技術の発達により、太陽系外の惑星がどんどん見つかっているのも事実である。近くの星なら木星型惑星だけでなく、地球型の小さく重いモノも観測できるようになってきた。
恐るべき技術進歩だ。
とはいえ、上記の「奇跡」が100分の1クラスの偶然だとすると、それだけで1億分の1という係数が掛かることになる。
2000億個の星のうち、惑星を持つものが半分(半分は連星系だから)として1000億個。それに1億分の1を掛けて1000個。
これを銀河系に均等にばらまけば、互いの距離は数千光年くらいだろうか。
つまり、往復1万年掛ければ、お隣とコミュニケーションがとれることになる。
いや、そうではない。
文明の維持期間が大問題なのだ。地球で言えばこれまでの40億年の歴史の中で、接触して意味のある知的生物が存在したのはここ数千年に過ぎない。それが今後どれだけ保つかも分からない。例え今後10万年もの間、今以上の文明を保持できたとしても、40億年から見ればたった4万分の1の期間だ。
つまりガンバってお隣に行っても、お互いの文明の時期がずれていたら、廃墟か原始人にしか会えない、その確率が極めて高いということだ。
下手をすれば、同一時期に、銀河系内には知的生命は一種だけ、ということすらあり得る。そうなると互いの接触は絶望的だ。
そう、問題は距離でなく、時間なのだ。
10万年の文明では短すぎる。
この宇宙で他の知性と出会いたくば、100万年を生き延びろ・・・
宇宙人は必ずいる。私はそう信じている。
でも、それと接触できるかどうかは、また別の問題なのだ。
因みに、1.の奇跡だけ、説明しておこう。
地球上の生命が爆発的に進化をしてきたのは高濃度の酸素に寄るところが大きい。酸素型の代謝は、生命に極めて高効率のエネルギー源を与える。
それを活用して、生命は堅いコラーゲンを作り、骨格を作り、筋肉を作って生存のために戦った。その生存競争こそが、強烈な進化上の淘汰圧となったのだ。生命が作り上げた究極の武器が、酸素とエネルギーを大量消費する、脳という器官だったのだ。
ところが、酸素というのはそもそも猛毒で、対象を全て酸化してしまう。鉄であろうがアルミであろうが、炭素であろうが。だからこそ、大気中に酸素が浮遊していると言うことは実は不思議なことなのだ。
カンブリア紀に入る前、空気中に酸素はほとんど無かった。植物の光合成が活発になり、大気中の酸素濃度が上昇した。空気中の酸素濃度が1%を越える頃(今は21%)、生物はエネルギーを得て、爆発的多様化を進めた。カンブリア爆発という。
他の太陽系外惑星でも、これだけの酸素濃度を達成できただろうか。そうでなければ、生命の進化は極めて穏やかなものとなるだろう。
以上(上記の計算はまったく厳密ではないので念のため)