第145回 芥川賞・直木賞授賞式 潜入レポート
というほどのものではないが、部外者が行くとどう見えるかということを少々(笑)
友人でもある池井戸潤が『下町ロケット』で直木賞を受賞した。
パーティに来るかと言うから、行くと答えた。こんなチャンスは一生に一度である。逃す手はない。
場所は東京駅近く、日比谷の東京會舘である。
1730受付開始。1750頃付いたが、1000人の参加者を捌くために、記帳所が横に10列以上あったのは流石であった。
名前を書いて(マジック、筆ペンの他に、筆と硯もあった!)、パンフと参加証シールをもらって入場である。
まず驚くのが、明和電気社長、土佐信道サンも、ブログで書かれているが「黒い」こと(笑)
みな服装が、ダークなのだ。
出版社系が黒の背広、作家系が着流しかイロジャケット、銀座系がドレス、とまことにわかりやすい構成であったが、まあ、黒が8割かなあ。
そして定刻10分遅れで1810スタート。
そっけないアナウンスのみでさらっと授賞式が始まり、正賞の時計と副賞の賞金目録が渡される。
そして、選考委員の代表者スピーチと受賞者のスピーチが続く。
北方謙三さんのスピーチは、とても味わい深かった。
「池井戸潤さんの作品は、いつも通俗(的であること)が問題と言われていた」
「でも彼はその作風を変えず、通俗を貫き、そしてその先に到達した」
と。
池井戸潤のスピーチも、受けを狙わずピシッとしていて、聞いていて気持ちよかった。
因みに今日は、受賞後の記者会見時の黒Tシャツにジーンズではなく、普通の黒背広。あれ、出版社系じゃん(笑)
「銀行系、企業小説から文芸書に移ろうとしたがうまく行かなかった」
「開き直って書いた企業小説が『空飛ぶタイヤ』」
「そうしたらこれが直木賞候補になり、そして文芸書コーナーに列ぶことになった」
彼の作家としての道を振り返り、そしてこの先を指し示す、淡々としたスピーチだった。
「読み終わって、ああ楽しかった、面白かった、と言われる小説を書き続けたい」
川賞・直木賞あわせて受賞者1名だったので、さくさく進行した。
最後の日本文学振興会 会長挨拶が終わっても、まだ1830。
乾杯の音頭もなく、そのままパーティへと移行していく。
出版社系、作家系、銀座系、ともにここからがお仕事である。
営業あり、お世話あり、そして北方謙三さんの周りには女性陣が華やかに陣取る。
メディアのカメラやビデオカメラも自然とこちらに(笑)
流石、似合うねえ。
部外者の楽しみは、なんといっても著名作家を発見することと、東京會舘の食事である。
前者は簡単(笑)
後者もそのバラエティと美味しさはビックリである。真紅のロングスカートに身を包んだバンケットガールのみなさんも質高く、きびきび働いていましたねえ。
そのなか、延々と来場者との挨拶や懇談を続ける池井戸潤。彼の前には常に数十名が門前列をなしている。
彼はもちろん立ったまま・・・・。ごくろうさまなのであった。
最後にちょっと挨拶して、写真を撮ってもらって、退出。
彼にはこの後、さらに2次会3次会と続くらしい(笑)
体、壊さないようにね。原稿は待ってくれないから。
直木賞って大変ね。
でも、美味しかった~