1枚の写真からシリーズ:その1(解答付き)
公開の日時指定ミスでした m(__)m
#これはいったい何でしょう?
ある夜、HDDレコーダーに録りためた番組を見ていたら、こんな光景が目に飛び込んできました。
①
今度は、わかりましたか?
そう。これは、芝生の駐車場にズラリとならんだオートバイの姿です。
場所はオランダのアッセン・サーキット[1]。今年のMotoGP 第8戦での様子です。
最終土曜日の観客は9万人でした。私がビデオで見たのは、ヨーロッパ中から押し寄せた数万台のバイクがつくり上げた風景でした。
#本当の「問題」は、なんでしょう?
さてところで…...。
ここでの本当の「問題」は、なんだと思いますか?
問題として出したら面白そうなことが、この①や②の写真から何か引き出せますか?
最初にこの写真を見てどう感じたでしょうか? 多分それでいいんです。そう、問題は、
「なぜ何万台ものバイクが、こんなに綺麗に整列しているのか?」
です。
不思議だと思いませんか?
②を見ても、白線など引いてある風ではありません。見えるのは、通路と芝生。それだけです。なのに、究めて整然と並ぶ数万台のバイクたち。
なぜこうなっているのか? が「問題」なのです。
#ヒント!
この問題、この①②の写真だけでわかったら天才級です。ぜひチャレンジしてみてください。
でも、丸1日考えてわからなかったら、諦めましょう。「天才ではなかったか」と。
ではここで、私と同じく①②だけではわからなかったみなさんのために、もう1枚、ヒント画像を見せましょう。
③
このアッセン・サーキットのバイク駐車場の中で撮影されたものです。この写真に、答えが隠れています。じっくり探してみてください。
#答えは・・・ブリヂストンの山田宏さんより
バイクに乗ったことのあるヒトであれば、そもそもバイクの駐車場が「芝生」であることに違和感を持たれるかもしれません。正しい、違和感です。
芝生だと、駐車のためのスタンドが潜ってしまって、うまく立てられないからです。
そこに気がつけば、この問題、解けるかもしれません。もう一度、④の画像をよく見てみましょう。
芝生の辺りに何か、見つかりませんか?
④
白い部分だけが、コンクリートになっています。
ライダーたちはご自慢のバイクを芝生の上に駐車するのに、ここにスタンドを立てるしかありません。だから自動的にバイクが真っ直ぐに列ぶのです。
白線も誘導員も要りません。
この答えは実は、私が見つけたものではありません。公式タイヤサプライヤー[2]であるブリヂストンのモーターサイクルレーシングマネージャー 山田宏さんが、TV番組解説の中で話されていたのです。
MotoGPの中継番組中、①②の絵が画面に映されたときに彼は言いました。
「すごい綺麗に列んでますよね」
「オランダ人って、そんなに几帳面なのかと思ったけれど、駐車場に確かめに行ったんです」
「そうしたらスタンドを立てる場所だけコンクリートだったんですよ~」
流石、ブリヂストンの現場マネージャー。気になれば、ゴチャゴチャ言わずにすかさず行って調べる。
まさに「座って悩まず、動いて考える」の典型です。
その力こそがきっと、2002年のMotoGP参戦後、圧倒的存在だったミシュランを打ち破り、ケイシー・ストーナー(当時DUCATI)を2007年ワールド・チャンピオンにし、その後のワンメイク体制(タイヤ供給は1社のみ)を支えてきたのでしょう。
ブリヂストンの2015年でのMotoGP撤退は本当に残念です。
欧州で「尊敬される」数少ない日本ブランドのひとつなので……。